◆イースタン・リーグ 西武3―6巨人=延長10回タイブレーク=(16日・カーミニーク)

 イースタン首位を走る巨人は16日、同2位の西武との直接対決に勝利し、2年ぶり29度目となる優勝を決めた。就任2年目となった桑田真澄2軍監督の下でチームはたくましく成長し、今季76勝38敗2分けの貯金38、2位に11・5ゲーム差をつける独走で頂点に立った。

ウエスタン王者とファーム日本選手権(4日・サンマリン宮崎)で対戦する。

 2年ぶりVを支えたのは新戦力の台頭だ。投手では育成2年目の園田純規投手(19)が、エース級の働きを見せる飛躍で先発ローテを支えた。6月14日のイースタン・ヤクルト戦(戸田)で公式戦初登板初先発すると、5回1失点で初勝利。以降はローテーションを守って12登板で無傷の8連勝、防御率1・50と圧倒した。

 また、ドラフト5位左腕・宮原駿介投手(23)は、桑田2軍監督ら首脳陣から配球を学びつつ、リリーフ投手に必要な気持ちの切り替える大切さなども勉強。2軍では29登板で防御率1・67と安定した結果を残し、1軍デビューも果たした。

 野手では6年目の山瀬慎之助捕手(24)が、課題の打撃面で大きな成長を見せた。球界屈指の強肩を生かした守備に加え、今季は矢野2軍打撃チーフコーチから、気持ちよくスイングしたいという欲を捨てる大切さを説かれて確実性がアップ。94試合で打率3割、2本塁打、20打点を挙げ、主戦捕手として攻守でチームを支えた。

 ドラフト1位・石塚裕惺内野手(19)は、卓越した打撃センスを見せつけた。3月に左手有鉤(ゆうこう)骨を骨折して約2か月半のリハビリも経験したが、1番打者として54試合で打率3割2分5割、3本塁打、23打点で打線をけん引。

本職の遊撃に加えて三塁でも出場を重ね、今月14日のDeNA戦(横浜)では1軍デビューも果たした。未来のスター候補として着実に経験を積み、2軍の優勝にも貢献した。

 6月に育成から支配下に昇格した3年目の三塚琉生外野手(21)は、左のスラッガーとしての才能を開花させた1年だった。持ち前のフルスイングを武器に中軸を任され、2軍戦では68試合で打率3割3分7厘チームトップタイの8本塁打、38打点をマークし、1軍デビューも果たした。

 桑田2軍監督が、中長期的な視点で強い巨人を支えるファームの構築を目指して迎えた就任2年目。1軍でのブレイクを目指し、才能を開かせた若武者たちが、独走Vの原動力になった。

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