◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」
8月23日、中京競馬場のウィナーズサークルで松山弘平騎手(35)はしたたる汗を拭いながら、メインレースの表彰を受けていた。この日、1Rと12R以外の連続10レースに騎乗し、3勝を挙げた。
以前、関係者から松山騎手は夏に調子が良くなると聞き、暑さ対策をしているのかと尋ねたことがある。答えは意外だった。「正直、人間に好不調はあまりない。走るのは馬」。体重制限があるため、食事で暑さ対策はできないという。朝食は体重管理に問題がなければバナナを1本食べるくらい。昼食は食べない。基本的にレースの日は一日一食で臨んでいるそうだ。ちなみに2部制の際は、普段なら夕食を食べる午後5時頃にレースが行われているので、少し空腹の中、騎乗している時もあるという。
表彰式後に話を聞きたかったが、翌日の札幌競馬場でのレースに向けて足早に北海道へ移動してしまった。そして彼は同24日の重賞でも勝った。
カメラマンの撮影現場も厳しい条件であることが多いが、それ以上にハードな環境で結果を残す松山騎手。大粒の汗を拭う姿に身の引き締まる思いだった。(写真担当・岩川 晋也)
◆岩川 晋也(いわかわ・しんや)2025年入社、写真担当。競馬取材歴は約10年。