◆米大リーグ ドジャース―ジャイアンツ(19日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)

 前日18日(日本時間19日)に今季限りでの現役引退を発表したドジャースのC・カーショー投手(37)が19日(同20日)、レギュラーシーズンでは最後の本拠地登板となるジャイアンツ戦に先発し、4回1/3を4安打2失点6奪三振で降板した。

 チケット完売。

カーショーは大歓声を背に慣れ親しんだマウンドに上がった。ジ軍の選手らからも拍手が送られ、カーショーは投球練習の前に手を挙げて応えた。しかし、1番ラモスに先頭打者アーチを被弾。ボールは客席からグラウンドに投げ返された。「レッツゴーカーショー!」のコールが起きる中、2番アダメズをスライダーで空振り三振。その後味方の失策もあって1死一、二塁とピンチを招いたが、5番フローレスを宝刀カーブで空振り三振、6番シュミットは右直に打ち取った。

 ロハスの7号ソロで同点に追いついた直後の3回。カーショーは1死からチャプマンに右中間を破る二塁打を許すと、続くフローレスに89・5マイル(約144キロ)直球を捉えられ、勝ち越しの中前適時打を浴びた。4回。先頭の8番ベイリーに左前打を打たれたが、最後は2死一塁でアダメズから空振り三振を奪った。1―2で迎えた5回。先頭のディバースを見逃し三振に斬ったところで交代。

野手全員とハグを交わし、ベンチでは大谷らともハグを交わした。最後はベンチから出てきてカーテンコールに応えた。

 18日の試合前には本拠地の一室で引退会見を実施。ベッツ、フリーマンらほぼ全選手が集結し、大谷も最後方から見守った。小さな部屋が関係者であふれ返る中、「私は引退する。エレン(妻)とも、子供たちともたくさん話した。今がその時だと思う。自分の心で納得している」と語り始めた。約12分間。同僚や家族への思いを口にする時には涙することもあった。

 ドジャース一筋18年。テキサス州ダラス出身のカーショーは、2006年のドラフト1巡目(全体7位)で入団。

08年にメジャーデビューすると、10年に初の2ケタ勝利となる13勝を挙げた。11年には21勝、防御率2・29、248奪三振の投手3冠でサイ・ヤング賞を初受賞した。11~14年は4年連続で最優秀防御率に輝くと、ノーヒットノーランを成し遂げた14年には2度目の20勝以上となる21勝をマーク。15年には自己最多の301奪三振と黄金期を迎えた。13~14年は2年連続サイ・ヤング賞。21勝3敗、防御率1・77の14年にはMVPに選出された。二刀流の大谷を除くと、2012年以降では唯一投手でMVPとなった。

 今年7月には史上20人目の通算3000奪三振を達成するなど、その伝説は数知れない。この日まで通算222勝96敗。将来の殿堂入りが確実なレジェンド左腕の雄姿を見ようと、ドジャースタジアムは超満員に膨れ上がった。今季途中まで同僚だった“元専属捕手”バーンズらの姿もあり、涙のエレン夫人ら家族もスタンドから声援を送っていた。

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