関脇・若隆景は東前頭4枚目・平戸海に寄り切られ、5敗目を喫した。大関昇進目安の「三役で直近3場所33勝」に届かなくなり、昇進が極めて厳しくなった。

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 らしくない相撲で若隆景が崖っぷちに追い込まれた。平戸海との一番。立ち合った後、すぐに体が起きてしまった。中に潜ってこそが若隆景の生きる道。持ち味を完全に見失っている。今場所は相撲が軽い。これは稽古不足に原因があると思っている。場所前に熱発で何日か稽古を休んだと聞いている。重みのある下からの攻めが出ないのは、それが影響しているのか。

 10日目までの5勝5敗は大関取りの場所としては致命的かも。残り5日の対戦相手には強い2横綱と復調してきた大関が含まれる。数字的には5連勝すれば2ケタに乗ると同時に内容にも合格点が付く。

私は5連勝する確率を多少の忖度(そんたく)を加えて30%ぐらいと見積もっている。4勝1敗で乗り切れば来場所にバトンを渡すことはできるが、3勝2敗なら振り出しに戻る。タイトロープの上の戦い。“若隆景の30%”に夢を見させてもらう。(元大関・琴風、スポーツ報知評論家)

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