大相撲 ▽秋場所11日目(24日、東京・両国国技館)

 関脇・若隆景(荒汐)の場所後の大関昇進は絶望的となった。左上手を求めた立ち合いも、逆に東前頭5枚目・琴勝峰(佐渡ケ嶽)の右差しを許してしまう。

そのまま上体を起こされ、力なく寄り切られた。土俵を割った若隆景は唇をかみ、小さく首を振った。支度部屋では「一生懸命、自分の相撲に集中するだけ」と言葉少なだった。

 小結だった5月の夏場所は12勝、先場所は関脇で10勝を挙げ、今場所は満を持しての大関取りも、6敗目を喫して2ケタ白星の可能性が消滅。1場所15日制が定着した1949年夏場所以降、直前場所で2桁勝利を逃して大関に昇進した例はなく、場所後の昇進は極めて厳しい状況となった。

 八角理事長(元横綱・北勝海)は「勢いがある時だけ勝つのでは駄目だ。この場所で(大関昇進)は早かったということ」と厳しい評価を下した。

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