◆プロボクシング ▽WBC世界バンタム級(53・5キロ以下)王座決定戦12回戦 同級1位・那須川天心―同級2位・井上拓真(11月24日、トヨタアリーナ東京)

 WBC世界バンタム級王座決定戦で、同級1位・那須川天心(27)=帝拳=と同級2位・井上拓真(29)=大橋=が対戦することが25日、正式発表された。

 WBC&IBF世界バンタム級王者・中谷潤人(27)=M・T=が、両王座の返上を表明。

空位となったWBC王座を、デビュー8戦目で世界初挑戦の那須川と、世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(32)=大橋=の弟で元WBC暫定・WBA同級王者の井上拓が争う。WBCは22日(日本時間23日)に、両者の陣営に対し対戦交渉を行うよう指示したと発表していた。

 那須川はキックボクシングからプロボクシングに転向し、23年4月にデビュー。今年2月、元WBO世界バンタム級王者ジェーソン・モロニー(オーストラリア)を判定で下し、WBC世界ランク1位に浮上。世界前哨戦となった今年6月の前戦ではWBA同級6位だったビクトル・サンティリャン(ドミニカ)に判定勝ちし、WBAでも1位となった。今年8月、地元の千葉・松戸市で開催した「天心祭」では、拓真との対戦について「選べるか分からないが、(WBCの)2位は拓真選手だから、いつでもやれる準備はできています」と話していた。

 井上拓は、2023年4月にWBA世界同級王座決定戦でリボリオ・ソリス(ベネズエラ)と対戦し、12回判定勝ちを収めて王座を獲得。24年10月の3度目の防衛戦で堤聖也(29)=角海老宝石=に判定で敗れて王座から陥落した。那須川戦が、約1年1か月ぶりの再起戦となる。那須川との対戦を見据え、すでにIBF世界スーパーフライ級9位の韓亮昊(28)=六島=らサウスポーを相手に実戦練習を重ねている。

 戦績は、那須川が7戦全勝(2KO)、井上拓が22戦20勝(5KO)2敗。

 試合はPrime Videoで独占ライブ配信される。

 ◆那須川 天心(なすかわ・てんしん)1998年8月18日、千葉・松戸市生まれ。5歳で極真空手を始める。2014年、15歳でキックボクシングでプロデビュー。15年に史上最年少16歳でRISEバンタム級王座を獲得。16年からRIZINで総合格闘技に挑戦。キック42戦全勝(28KO)、総合格闘技4戦全勝、キック・総合ミックスルール1戦1勝の格闘技47戦全勝でプロボクシングに転向し23年4月にデビュー。24年10月、WBOアジアパシフィック・バンタム級王座獲得。身長165センチの左ボクサーファイター。

 ◆井上 拓真(いのうえ・たくま)1995年12月26日、神奈川・座間市生まれ。綾瀬西高では高校総体など2冠。2013年12月プロデビュー。15年7月、東洋太平洋スーパーフライ級王座獲得。

18年12月、WBC世界バンタム級暫定王座獲得。21年1月に東洋太平洋同級王座、同年11月にWBOアジアパシフィック同級王座、22年6月に日本同級王座を獲得。23年4月、WBA世界バンタム級王座獲得。24年10月、3度目の防衛戦で堤聖也(角海老宝石)に敗れ王座陥落。身長163センチの右ボクサーファイター。

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