10月10日のSVリーグ開幕に向け、PFUブルーキャッツ石川かほくは25日、石川・かほく市の専用体育館で公開練習を行った。ミドルブロッカーのタットダオ・ヌクジャン(31)が24日に合流し、全16選手がそろって汗を流した。

今季は日本代表セッターの松井珠己(27)を含めて5選手が新加入。外国籍選手はアジア枠のヌクジャンのみで、日本人選手を軸にして挑む。馬場大拓監督は「日本人選手は若くて、未熟な面もあるが、非常に力があるし、プレータイムも増える。対外試合を消化して、しっかりと戦えるレベルに来ています」と手応えをつかむ。

 今季2年目で、大きな成長を見せているのが、チーム最年少のアウトサイドヒッター、上村杏菜(19)だ。身長は166センチと小柄だが、最高到達点301センチの高さと、パワフルなスパイクが持ち味。8月に行われた女子U21世界選手権に出場し、主力選手として準優勝に貢献。決勝戦ではイタリアに2―3で敗れたが、チーム最多の18得点を挙げた。上村は「対戦チームには2メートルの選手もいたが、すごくいいイメージでプレーできた。体は小さいけど、パワーはある方なので、ブロックを利用して打ち、レシーブを吹き飛ばしました」と明るい表情を浮かべた。

 父はナイジェリア人で、母は日本人。幼い頃はクラシックバレエを習っていたが、知人のすすめでバレーボールを始めた。

跳躍力とパワーの源を聞いてみると、「中学時代はひたすら走ってジャンプしていた。昔ながらの厳しい練習でした」と苦笑い。跳び箱5段に飛び乗るジャンプを何度も繰り返し、週に1度はグラウンドを約1時間走り続けていたという。高校ではインターハイで優勝し、U20日本代表としても活躍した。卒業後は「両親にたくさん支えられたので、次は親孝行したい。日本のトップリーグでプレーする姿を見て欲しい」とPFU入団を決めた。

 1年目の昨シーズンは44試合に出場し、ピンチサーバーとして起用されたほか、アウトサイドヒッターとして222本のアタックを決めた。「身長が小さくてもスパイクを打てることを証明したい。もっとチームに貢献したい」と上村。期待の19歳スパイカーが、SVリーグの舞台で大きく飛躍する。(中田 康博)

 ○…日体大出身で、ユニバーシアード日本代表にも選ばれたミドルブロッカー、呂比州理紗(ろぺす・りさ、22)が新加入。175センチで、巧みなブロックが武器だ。

「PFUは速い攻撃のテンポと、ブロックの強さに魅力がある。自分の持ち味を生かして勝利に貢献したい」と意気込む。

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