◆テニス ▽木下グループ・ジャパン・オープン第2日(25日、東京・有明コロシアムおよび有明テニスの森公園)
初来日した世界王者カルロス・アルカラス(スペイン)が、第1セットに左足首を痛めるアクシデントがありながら、世界41位のセバスティアン・バエス(アルゼンチン)に6-4、6-2の貫禄のストレート勝ち。「練習の時から、今の試合まで最高の雰囲気だった」と、右手を高らかに挙げると、埋め尽くした大観衆から声援が送られた。
満員となった有明コロシアムに緊張感が走った。第1セットの2オール。第5ゲームの時だった。第1ポイントで、相手の球を追ったアルカラスの左足首に異変が起きた。
ひねったようには見えなかったが、突然、アルカラスは右片足1本で飛びはね、コート上に座り込んだ。「アンラッキーだった。ドロップショットを拾いに行ったときに痛めたようだ」。両手で頭を抱え、苦悶の表情を見せた。
すぐにトレーナーが呼ばれ、アルカラスはベンチに戻り、テーピングと湿布のようなもので処置。コートに戻り、プレーを続行した。しかし、左右に振られると、最初はおそるおそる足を踏み出しているように見えた。
また、アルカラスが第1セット5-4リードで、降雨のために約30分中断した。開閉式の屋根を閉めるため、両選手は、いったんコートから姿を消した。約30分後に戻ってくると、アルカラスは一気に3ゲームを連取。そのまま勝利へ突っ走った。
日本での初試合が、左足首の負傷のアクシデントに、降雨中断のハプニング。剛腕のフォアハンドから繰り出されるショットに、会場がどよめき、話題満載で世界王者は日本のファンに貫禄を見せつけた。次戦については「できる限りのことをして、この状態を保つように努力したい」と話すにとどめた。