自民党総裁選(10月4日投開票)に立候補しているの小林鷹之元経済安全保障担当相(50)が、スポーツ報知の取材に応じた。劣勢が報じられてはいるが、元東大ボート部主将の魂で後半のまくりを宣言。

一方で、家庭では一人娘との思春期にまつわるプチ悩みもあるようで…。(樋口 智城)

 ―昨年に続いての総裁選インタビューです

 「恒例の会に来ていただいて、ありがとうございます」

 ―じゃあ来年も…

 「いや、もう総裁選はない方が。ハハハ」

 ―昨年の総裁選から1年。どう総括されますか

 「自民党的には少数与党にすぐなっちゃったので、政治が停滞しますよね。政策のスピードも落ちた。石破首相もカラーを出せずもどかしかったのでは」

 ―自身は、地方を回る機会が増えた

 「週末に地元にいたことがないくらい。先々で地方議員のみなさんとの接点がめちゃくちゃ増えて充実した1年でした。前回は(地方議員からの連絡が)1件もなかったのですが、今回はいろいろな来たんですよ」

 ―地方重視は、石破首相のやり方

 「私がやったのは1年弱。これを石破先生は何年もやっている。そりゃ政治家の足腰強くなるな、総裁選で党員票あそこまで出るよなと思いましたよ」

 ―というか、「石破降ろし」の先陣を斬ったイメージもあるんですけど…

 「引きずり降ろす意識はなかったですよ。政治家なので言葉は慎重に選んで発言したつもり。辞めろと言ったことは1回もなくて、責任の取り方をトップとして考えてくださいと繰り返していただけです」

 ―世間の「石破辞めるな」ムーブメントはどう思いました?

 「想定はしてなかった。

ただ世論調査と、党のガバナンスの話は別。自分の思いに沿って発言しました。でも、繰り返していたら、いつの間にか言っているのが自分だけに…。アレ? ってなっちゃいました」

 ―疑問だったのが、出馬に際して高市早苗氏と一本化しなかったことです。保守同士、票が割れちゃうんじゃないですか

 「この国を再生させる、自分がやるって強い思いがある人が名乗りを挙げて、正々堂々フェアに選挙して決めていく姿を各候補者で見せることが、党の再生につながると思っていますから」

 ―出馬辞退を要請した人が何人もいたって聞いてますけど…

 「そういうのは昨年の総裁選からありますよ。保守論陣の有識者含めて」

 ―なんて言って断ったんですか

 「いやあ…(笑い)。保守って言っても、考え方が全部同じなわけじゃないですよね。私と高市先生だけじゃなく、リベラル的な人でもそうでしょう? 例えば今回の候補者、外交政策とかは全員違う。保守・リベラル思想軸という単純なことだけではなく、それぞれのビジョンを加えた複眼的視点で吟味できる総裁選になればいいなと思います。今回の総裁選、普通に考えれば盛り上がらない。これだけの支持がなくなった政党で、総裁選もコップの中の争いと見られないようにしないと」

 ―結果より過程を見せることが大事…とも取れますが

 「世論調査では高市先生、小泉先生に劣後していますが、最初から負けていい戦いはない

 ―元東大ボート部主将。追い上げは得意

 「ボートって後ろ向きでこぐので、どれだけ前と離れているか分からない。

心くじけそうになるんですけど、自分たち勝てるという気持ちさえあれば差せるんですよ。そういうレース、何度もしてきています」

 ―あと「ONE自民」のキャッチフレーズがダサいって批判記事がネットで出てましたけど

 「ダセぇダセぇと結構いろんなとこから来ましたよ。でも、わかりやすさって大事。2009年、下野したとき谷垣総裁が言った『みんなでやろうZE!』のフレーズも、初めはどうなのかと思われていたはず。でも、みんなでわーと行動に移して政権も奪還できた。ONE自民も、ダサくていいんじゃないかと」

 ―じゃあ「コバホーク」の愛称は…

 「確かに、アレもちょっとダサいかも」

 ―そういや昨年のユーチューブで、娘さんに「家ではいい加減なパパが総理が務まるはずはない」と言われたエピソードを話してましたね

 「いま思春期なんで、なかなか会話が難しく…。推測ですけど、去年の娘の思いはますます強くなっている気がしますよ」

 ―そんなこと言いながら、仲は悪くないのでは

 「昨年の総裁選の最後の演説、後ろの方で聞いてくれていたらしいんですよ。ありがたいなと。参院選でも地元の演説で娘がいて…緊張しましたね。『がなり立てて、うるさいだけだよね~』と言ってたらしいんですが、一方で『あんなに他の候補を応援するなんで絆がすごいんだね』とかも言っていたと聞いて…。ホント、ほっとしますよね」

 ―仮にですよ。将来、小泉進次郎さんが嫁にください! とか言ってきたらどうします

 「いいんじゃないですか。

うれしいですよ」

 ―許さない! じゃないんすか

 「自分よりしっかりしているんで、基本は娘が選んだのなら大丈夫」

 ―じゃあ石破さんだったら

 「「(異常に速いスピードで)うれしいっす!」

 ―心、広いですなあ

 「石破さんの若い頃はどんな人かわからないですけど…、それは、それで。大丈夫です」

 ―あれ? なんか言葉がスムーズじゃないっすね

 「気のせい、気のせいです。勘違いです。というか、仮に『そうじゃない』と思ったとしても、娘が選んだのなら仕方ない。信頼してますよ。もちろん、自分なりにどういう男が吟味しますけど…」

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