◆全国高校ラグビー◇南北北海道予選会 最終日 ▽南北海道決勝 立命館慶祥33-14札幌山の手(28日・大和ハウスプレミストドーム)

 南大会決勝は、立命館慶祥が札幌山の手を33―14で破り、3年ぶり2度目の優勝を飾った。前半1分36秒にWTB松橋佑朔(3年)が挙げた先制トライを皮切りに、鍛え抜いてきた展開力で過去22度Vの難敵を下した。

リーグワンの横浜キヤノンで活躍した高島忍監督(33)が率いて3年目、基礎から徹底してきた成果が大舞台で実った。全国大会は12月27日から東大阪市花園ラグビー場で行われる。

 鍛え抜いてきた「展開ラグビー」を、立命館慶祥が存分に発揮した。開始早々の松橋の先制から、17分54秒までに3連続トライを決めた。一時は札幌山の手に5点差に追い詰められるも、後半の2トライで突き放して3年ぶりの花園切符をつかんだ。松橋は「本当にここに懸けてきたので。勝てて良かった」と破顔した。

 スタイルを貫いた。高島監督は「どんどん仕掛けてのアタッキングラグビーを掲げてやってきたので。今日もキックはほぼ蹴らない選択をした」とパスをつないでの連続攻撃にこだわった。15年から8年間、主にフッカーでリーグワンの横浜キヤノンでプレーした指揮官は「どんどん展開してどんどんアタックしてどんどん展開して最後トライを取り切る方が選手も面白い」。23年の就任から、目指す形への素地をつくってきた。

 就任当初は「ちゃんとボールが来ないとか、投げてもミスが起きるとかが多発していた。ハンドリングのスキルから毎日やっていた」。冬場は40×20メートルの室内練習場に40人程がひしめき合い、パスを繰り返した。筋トレを並行し、基礎と体づくりを一から徹底してきた。単純ミスが減り、相手より速くボールに入れるようになり、展開ラグビーが可能となった。3年目でつかんだVに高島監督は「やり続けた結果が、最後にこういう形でつながった」とうなずいた。

 初出場の3年前は岩見智翠館(島根)に7―34で敗れた。初勝利を目指す今回、SO田尾公謙主将(3年)は「自分たちの展開ラグビーが全国でどれだけ通用するか試したい」と3か月後を心待ちにした。展開力に磨きをかけ、憧れの舞台へと向かう。(砂田 秀人)

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