◆テニス ▽木下グループ・ジャパン・オープン第6日(29日、東京・有明コロシアムおよび有明テニスの森公園)

 7日に閉幕した全米の車いすテニスで、シングルス史上3人目の生涯ゴールデンスラム(4大大会全制覇とパラリンピック金メダル)の快挙を達成した世界王者の小田凱人(東海理化)が、圧倒的な完封劇で優勝だ。世界ランキング21位で第2シードの荒井大輔(BNPパリバ)に6-0、6-0の59分で大会3連覇を飾った。

 今大会初めての有明コロシアムでの試合で、観客に「足を運んでいただいた皆さん、(車いすテニスは)どうですか?」と問いかけた。そして「1番かっこいいスポーツだと思う。かっこいいっすよね!」と、多くの観客に賛同を求めた。

 圧巻のテニスだった。第2セットの第5ゲーム。自分のサービスゲームで2本のブレイク・ポイントを握られたがキープ。その瞬間、この日、唯一の「カモーン!」と雄たけびを上げ、絶対に1ゲームも落とさないという並々ならぬ完封劇への執念を見せた。

 スタートから、観客の度肝を抜いた。第1ポイントから13ポイントを連取し、3ゲームを怒とうの勢いで奪った。「せっかくなので、やれる分までやっちゃおう。1番強い姿を見せたい」と、最初から先輩の荒井を圧倒した。

 1回戦、準決勝、決勝と、すべて1時間以内で試合を終え、3試合で落としたゲーム数は合計たったの「1」。

過去シングルスで史上3人しか達成していない生涯ゴールデンスラムのレベルの違いを見せつけた。「これから、10年、20年見守っていただけるように、もっと強くなる」。これ以上の強さは、空恐ろしいほどだ。

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