◆テニス ▽木下グループ・ジャパン・オープン第6日(29日、東京・有明コロシアムおよび有明テニスの森公園)
日本男子ダブルスNO1、ダブルス世界ランキング112位の柚木武(イカイ)が、2024年全豪覇者で最年長世界1位をマークしたロハン・ボパンナ(インド)とのペアで、日本人としては2018年に優勝したマクラクラン勉以来の決勝に進んだ。今年ツアー2大会で優勝しているエバン・キング、クリスチャン・ハリソン(ともに米国)組に4-6、6-3、18-16(10点先取タイブレイク)で逆転勝ち。
最後は、壮絶な10点先取タイブレイクを、柚木組が制した。柚木は「ファイナル入ったら、思い切りやることだけを考えた」。相手にマッチポイントを握られること3度。自らは5度のマッチポイントを逃したが、6度目、柚木のサーブに相手のリターンがネットして、激戦のタイブレイクに幕が下りた。
勝った瞬間、柚木はやや放心状態。「あまり酸素が回っていなくて、サーブを決めた後に、まだポイントあったっけ」と、勝利の実感がなかった。そこに、45歳の大ベテラン、ボパンナが柚木を抱きしめ、喜びを分かち合った。身長196センチ、サーブの速度が時速230キロ超えという日本の超大型新人の才能が開花した。
デビス杯日本代表の添田豪監督が、2人の仲を取り持った。添田監督、ボパンナともに、日本とインド両国のデビス杯代表として、同時代に戦った。その同士に、添田監督が日本の若手とペアを組んでほしいと依頼した。
ボパンナは、柚木を「ネットでの存在感が非常に大きい」と話す。ボパンナ自身も身長193センチと大柄だが、柚木は、その彼よりも3センチも高い。大柄な体格とパワーを生かし、「攻撃的に行きたい」と、7年ぶりに日本人ダブルスの優勝に挑む。