日本ハムの新庄剛志監督(53)が就任5年目となる来季も続投することが29日までに分かった。水面下で既に続投要請され、ポストシーズン終了後に球団との正式な話し合いが行われる。

退任の可能性もあった中で続投を決めた背景を日本ハム担当の川上晴輝記者が「見た」。

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 負けっぱなしでは終われない。指揮官の目には闘争心が宿っていた。9月23日の本拠地最終戦後の会見で、「リーグ優勝が一番大事。リーグ優勝できなかったら、2位も6位も一緒」と、リーグ制覇への並々ならぬ思いを口にした。

 今季は前半戦を首位で折り返すも勝負の9月に昨季王者に振り切られた。9月18日のソフトバンク戦(みすほペイペイ)で痛恨の敗戦を喫した試合後には、「そんなの勝ちか負けか。それだけ」と、珍しく短い言葉で悔しさをあらわにした。V逸した27日には、自身のインスタグラムで「悔しくて悔しくて 言葉にするのは難しい」と投稿するなど、今季にかける思いは相当なものがあった。

 手応えを感じていたからこそ悔しさも倍増したはずだ。シーズン序盤からスクイズ、重盗など作戦が面白いようにはまり「もう僕のやることはなくなっていますから」と、4年間で作りあげてきた新庄野球は完成に近づいていた。

 だがソフトバンクの壁は厚かった。

退任の可能性もささやかれていた中で続投を決めたのはやはりリーグVへの執念だろう。23日には「優勝を万が一、逃したとしても次の年てっぺんに行くぞという気持ちで取り組める」とも語った。負けず嫌いな指揮官の5年目は、頂点だけを見据えた集大成になりそうだ。(川上 晴輝)

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