歌手の松任谷由実の新曲「天までとどけ」が10月9日スタートのフジテレビ系木曜劇場ドラマ「小さい頃は、神様がいて」(木曜・午後10時、初回は15分拡大)の主題歌に決まったことが1日、分かった。
物語は19年前、小倉夫婦があることがきっかけで「子どもが20歳になったら離婚する」という約束を交わすところからスタート。その言葉をすっかり忘れてマイペースに生きてきた夫・渉とその言葉を心の支えとして過ごしてきた妻・あん。
全く異なる想いを抱えた2人が何気ない日常の中で少しずつ心を揺らしていく姿を繊細かつ軽やかに描いていく物語の主題歌を松任谷が担当することが決定。本作のために書き下ろした新曲「天までとどけ」を使用した主題歌付き本予告映像も公開となった。
今年で活動53年を迎える松任谷谷がフジテレビドラマの主題歌を手掛けるのは2016年10月期放送の木曜劇場「Chef~三ツ星の給食~」以来9年ぶり。「天までとどけ」は今回のドラマののために書き下ろされた完全新作。11月18日発売の40枚目のオリジナルアルバム「Wormhole / Yumi AraI」にも収録される。
同曲はアルバム収録曲の中でも特に“荒井由実”を想起させるノスタルジックな雰囲気をたたえている。最新のAI技術を駆使し、荒井由実時代、1990年代・2000年代の松任谷の歌声を合成し、“第3のユーミン”ともいえる新たなボーカルを創出。現在のユーミンと共演することで、それぞれの時代の響きをタペストリーのように織り込み、懐かしさと新しさが共存する楽曲に仕上がった。
作詞・作曲は松任谷、編曲は松任谷正隆が務める。
今回のドラマタイトル「小さい頃は、神様がいて」は松任谷(荒井由実)の名曲「やさしさに包まれたなら」の一節からインスピレーションを受けた岡田氏の想いによって生まれた。岡田氏は本タイトルについて「人が生きていくことは大変で、うまくいかないことがほとんど。でも、生きていくしかない。一人でも大変なのに、誰かと一緒に生きることはもっと大変。でもだからこそ、楽しい。そんな生きることの大変さを、でも、つらそうではない言葉にして、タイトルにしたい」という想いがあったと語る。
また、主題歌を務める松任谷の音楽を岡田はこれまでずっと聴き続けてきたという。そんな深い縁から、「やさしさに包まれたなら」の歌詞から着想を得て本作のタイトルが誕生した。一方で、「天までとどけ」も“過去を現代に引用する”というコンセプトが込められており、ドラマのテーマとも美しく呼応している。
これから紡がれていく物語と松任谷が新たに歌い上げる「天までとどけ」が重なり合うことで作品の世界観はより深く、温かく広がっていく。
主人公・渉役の北村と渉の妻・あん役の仲間からも新着コメントが到着。北村は松任谷について「数々の名曲を生み出してきた松任谷さんが、今回、ドラマのために新曲を書き下ろしてくださったと聞いて、本当にうれしかったです」と喜びをあらわに。
実際に松任谷と対面する機会があったことを振り返り、「第一声から“やっぱりすごいな”と圧倒されました。素の声だけでも響きがすごくて、まるで地面を通じて足元まで伝わってくるような感覚でした。そして、とても気さくに話しかけてくださり、そのお人柄にも感動しました」と感銘を受けた様子を語った。さらに「天までとどけ」については「この『天までとどけ』を渉がよく聴いているのでは、と思いながら耳にしています。そうして聴いていると、思わず涙があふれそうになるんです。心にすっと染み込んでくるんですよね。例えるなら…すきっ腹で日本酒をギュッと飲んだときのような感覚というか(笑)。
一方の仲間は「ドラマの世界観を深く理解してくださり、そのうえで物語全体を包み込むような楽曲を作っていただける、そう感じたとき、“このドラマは素晴らしい作品になる”と確信しましたし、私自身も“この作品を頑張って届けたい”と強く思いました」と松任谷の楽曲への想いと共に、作品への決意を語った。
さらに「人は、一人では生きていけません。誰かと共に生きていく中で、時には距離を感じたり、思うようにいかないこともたくさんあります。でも、だからこそ、少し気にかけ合ったり、そっと寄り添ったりしながら、それぞれが自分なりの生き方を見つけていく…そんな愛おしい人たちが、このドラマにはたくさん登場します。松任谷さんの優しく力強い主題歌と共に、温かく、そして愛にあふれた物語を、ぜひ楽しんでご覧いただけたらうれしいです」と話した。
◆松任谷由実コメント
「今回のアルバムのテーマでもある“荒井由実”が一番感じられる曲だと思います。ドラマのタイトルにも偶然リンクしていますよね。荒井由実時代の自分が、今の松任谷由実にそのまま平行移動して混ざり合ったような曲です。自分で言うのもなんですが…“神曲”だと思います」