◆第78回秋季全道高校野球大会札幌地区予選 ▽Dブロック代表決定戦 立命館慶祥19―0札幌南=5回コールド=(30日・札幌円山)
立命館慶祥が16安打19得点の猛攻で札幌南を5回コールドで下し、3年ぶりの全道大会出場を決めた。左投げで二塁を守る9番・影近陸(2年)が2安打2打点で3季連続の地区予選突破に貢献した。
3試合連続でスタメンに名を連ねた影近は、1回1死満塁の好機で中前適時打を放つと、3回1死二塁からも右前に適時打。2回戦・札幌新陽戦で無安打に終わってからトップの位置などを見直した成果を発揮し、「指導者の方とか、バッティングを教えてくれた人に感謝したい」と汗を拭った。
左投げ左打ちで背番号は「4」。一塁以外の内野ポジションは、捕球からスムーズに投げやすい右投げ選手が就くのが一般的だが、「ただ左利きというだけで、ゴロの入りとかが上手。野球勘、スピードもある。リスクもあるけど、今のうちの選手の中では彼にセカンドに入ってもらうのがベスト」と滝本圭史監督。本職は投手、外野手だったが、二塁手のレギュラー候補がけがをした影響もあり、新チーム始動後にコンバート。中学時に使っていたオールラウンド用のグラブを右手にはめ、小学生以来の内野ノックを受け続けてきた。
1回戦の札幌真栄戦では、ゴロを2つさばき、6―4―3の併殺も2度完成。二遊間寄りの打球処理や併殺時のベースへの入り方など試行錯誤を続けている。この日は正面のゴロを捕球後、素早く回転して一塁に送球したが悪送球(記録は内野安打)となり、影近は「みんなに迷惑をかけている。全道ではノーエラーを目指して守備練習を頑張りたい」と力を込めた。
チームは春、夏に続いて3季連続の地区突破。夏の南大会では昨年準優勝、今年も優勝の北海と接戦を繰り広げるなど、実績を積み上げている。世界陸上日本代表の小池祐貴を輩出した陸上部は全国常連で、ラグビー部も3年ぶりの花園切符を手にしており、「ラグビーも陸上も一緒に夜遅くまで頑張ってきて、結果を出している。自分たちも負けられない」。異例の挑戦を続ける立命館慶祥の背番号4が“常識”を覆し、春夏通じて初の甲子園出場に導く。