凱旋門賞追い切り(30日・エーグル調教場)

 【シャンティイ(フランス)30日=山下 優】JRA海外馬券発売対象の第104回凱旋門賞(5日・日本時間23時5分発走、パリロンシャン競馬場)に挑戦するアロヒアリイは30日、エーグル調教場の芝コースで最終追い切りを行い、併入。前走以上の状態で世界最高峰の仏G1を狙いに行く。

 新進気鋭の調教師が、勝負手を打ってきた。アロヒアリイはエーグル調教場の芝コースで現地の馬と併せ馬。馬なりのまま、楽に併入して動きも実にパワフルだった。騎乗したのは06年にレイルリンクで勝っている凱旋門賞ジョッキーのステファン・パスキエだ。

 田中博調教師は「ステファンはクリストフ(ルメール)と仲が良く、クリストフからよかったら乗せてほしい、ということで乗ってもらいました」と経緯を説明した。パスキエの感触も良かったようで、これでルメールも、詳細なフィードバックを得ることができる。

 ただ、指揮官はやや辛口だ。「2週前の動きが切れ切れだったので、正直物足りなさがあります」と吐露した。だが、レースまでにはまだ時間があり、微調整もできる。美浦でもやったことがない“火曜追い”。「普通の調教では勝てないレースだと思うので、これはチャレンジです」と考え抜いての調整方法だった。

 それでも、全体的な感触は悪くない。

「前回見に来た時よりも馬体がたくましくなりました」と前を向いた。厩舎開業当初から憧れてきた凱旋門賞。「ファンの皆さんの夢を乗せて、頑張りたいですね」と目を輝かせていた。

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