◆JERA セ・リーグ 巨人4―2中日(30日・東京ドーム)

 握った右拳を、グラブに思い切りたたきつけた。巨人のR・マルティネス投手(28)が、田中将の節目となる白星を贈った。

4―2の9回2死、辻本を156キロ直球で空振り三振。レジェンド右腕に笑顔で一礼し、日米通算200勝の記念球を手渡した。

 自身も46セーブ目を挙げ、05年の岩瀬仁紀(中日)、07年の藤川球児(阪神)、今季の松山(中日)に並ぶセ・リーグ最多記録を樹立。「自分も(田中将の)200勝がかかっているのは当然知っているので、勝つって思いで全力で4つのアウトを取りに」と汗を拭った。

 普段と違って、どよめき交じりの登場だった。2点リードの8回2死一、二塁、阿部監督は大勢に代わって守護神を投入した。移籍後初となる8回のマウンドに送った理由を指揮官は「セーブ王も取らせたかったので(8回裏に)何点入ってもセーブが付くというのを確認して。本人の意向で行ってもらいました」と説明。代打・板山を一ゴロに仕留めて危機を断つ。初のイニングまたぎとなった9回もテンポ良く2Kを含む3者凡退。完璧な投球で4つのアウトを奪い、レジェンド右腕の金字塔を彩った。「偉大さは分かっているし、自分にとっても本当にうれしい。

田中投手はいいお手本で鑑(かがみ)のような存在」と声を弾ませた。

 元同僚の中日・松山と並び、セーブ王争いの決着は1日の最終戦へ。「今まではセーブ数ってほとんど考えてなかったけど、セ・リーグ記録にたどりついたのは満足してます」。チームは勝率5割に復帰。ガムシャラに腕を振った先にタイトルとリーグ新記録が見えてくる。(水上 智恵)

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