◆第104回凱旋門賞・G1(10月5日、仏・パリロンシャン競馬場・芝2400メートル、重)
17頭立てで行われた世界最高峰のビッグレースで、クリストフ・ルメール騎手=栗東・フリー=が騎乗したアロヒアリイ(牡3歳、美浦・田中博康厩舎、父ドゥラメンテ)は、発走直前から降り出した大雨のなか、好位集団でのレース運びだったが、16着に沈んだ。ルメール騎手はフランス所属時を含め、14度目の凱旋門賞挑戦だったが、今回も勝利をつかむことはできなかった。
激しいゴール前の争いを制したのはミカエル・バルザローナ騎手が騎乗したダリズ(牡3歳、仏国・フランシスアンリ・グラファール厩舎、父シーザスターズ)だった。勝ち時計は2分29秒17。
小差2着はクリストフ・スミヨン騎手が騎乗したミニーホーク(牝3歳、愛国・エイダン・オブライエン厩舎、父フランケル)、離れた3着にステファン・パスキエ騎手が騎乗したソジー(牡4歳、仏国・アンドレ・ファーブル厩舎、父シーザスターズ)が入った。
アロヒアリイは報知杯弥生賞ディープインパクト記念・G2での3着はあったが、日本ではその時点で1勝クラスの身だった。皐月賞で8着の後、7月末にフランス入りして滞在を続け、現地の馬場仕様の仕上げを施された。海外初挑戦となった前哨戦のギヨームドルナノ賞・G2で重賞初勝利。3馬身半差をつけて逃げ切り、一躍、今年の凱旋門賞の注目馬となっていたが、結果を出すことはきなかった。
オイシン・マーフィー騎手が騎乗したビザンチンドリーム(牡4歳、栗東・坂口智康厩舎、父エピファネイア)が日本馬最先着の5着。北村友一騎手が騎乗したクロワデュノール(牡3歳、栗東・斉藤崇史厩舎、父キタサンブラック)は2番手から道中先頭に並びかけ、集団を引っ張ったが余力なく、14着に沈んだ。
田中博康調教師(アロヒアリイ=16着)「まずは遅くまで応援してくださったファンの方々に感謝申し上げます。スタートも出ましたし、こちらが思っていたレースではなかったですけど、それも一つの選択としてとったことです。
ただそれであっても、直線ではジョッキー(ルメール騎手)も『スタミナがもうなくなってる』ということで、しっかりここにフィットして、ロンシャンの2400メートルを走り切る作りができなかったと思っております。
(馬場について)元々走り自体に違和感があるとか、道中走りづらかったという話でもなかったですし、一概にそこだけが原因とは思ってないです。それ以外のところも十分、見直せるところがあると思います。向かなかったというより、こちらの準備が足りない部分。これを糧に生かしていくしかないと思っています。
(アロヒアリイは)すごく成長したなという部分も見られました。正直、こういったロンシャンのパドックも含めて、日本とは全然違う環境の中で堂々としていましたし、精神状態に成長は見られました。ただフィジカル的なところでは、まだ足りない部分もありますし、今後補わなければならない部分も見えてきたので、日本に帰ってその課題と向き合っていきたいです。
(厩舎にとって大きな経験になった)オーナーの理解あってのことですし、厩舎にとって1回目ですけど、馬が成長するなら来年の2回目のときに、厩舎が力をつけて凱旋門賞に向けてどのような準備をしたらいいかも勉強できたら、そういうこともオーナーがおっしゃってくださいました。必ずこの経験を生かして行きたいと思っています」