東京・墨田区出身のクリエイティブディレクターでデザイナー・髙橋正実氏(MASAMI DESIGN)が13日、デザイン界のノーベル賞とも言える「コンパッソ・ドーロ賞」受賞報告のため、山本享区長を表敬訪問した。デザイン大国イタリアにおいて最も権威ある賞として1954年創設の工業デザイン賞は「黄金の羅針盤」を意味。

過去に建築家・安藤忠雄氏らが特別功労賞を受けたアワードに、髙橋氏も名前を連ねた形だ。

 受賞対象となったのは、髙橋氏が携わった「Physical Care Robotic Bed “HANARE”」というマッサージロボット。センサーによって生体情報を取得し、データ解析してリラクゼーションだけでなく心と体を豊かに創造できる情報に変換できるセンシング技術を使い、青山学院大学理工学部知技能ロボティクス研究室と豊橋技術科学大学情報・知能工学研究室が共同開発。神奈川・綾瀬市の株式会社日南が製作を担当。髙橋氏はロボティクスのトータルデザインならびにコンセプトデザイン、全体のクリエイティブディレクターや映像監督などを担当した。

 相手の健康状態をスキャンし、心理状態を計測してどこが悪いのかを即座に判断して治癒するケアロボットは白を基調とし、スタイリッシュで洗練された造形美が目を引く。「ロボットなんですけれども、ライフスタイルに合うようなインテリアとして、ラグジュアリーで心豊かに、未来をみなさんとワクワク想像できて、安心安全も意識しましたデザインです」と髙橋氏。

 近未来の癒やしの空間と、宇宙観すらも立体的に表現されており、マッサージ中に見るVRのデザインも髙橋氏が担当。「どこまでも広がっていく枯山水の世界を展開し、安心感と、心と体がつながっていく世界をイメージした提案とデザインでした」。見た目の美しさだけでなく、機能性や革新性、社会的意義や環境への配慮などあらゆる角度から高く評価された。

 昨年9月には大阪・関西万博のイタリアパビリオンで授賞式が行われ、同年12月にはイタリアのミラノでも開催、招かれて出席した髙橋氏に、山本区長も「墨田区にとっても誇らしい。素晴らしいこと。

どれだけすごいことかということを、区を通じてもどんどん発信していきたい」と話し、今後の後押しを約束した。

 墨田区では今秋に「文化芸術による『地域力』の向上」などを目的に「すみだ五彩の芸術祭」を9月から3か月開催。区内各所を舞台に自治体が主催となり、数か月実施する総合的な芸術祭としては東京23区では初めてで、髙橋氏は総合芸術祭デザインディレクターを務め、ロゴも手掛けている。

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