男子テニスで、アジア男子最高の世界ランキング4位に上り詰め、2014年全米では準優勝に輝いた錦織圭(36)=ユニクロ=が、今季限りでの引退を決めた。1日、自身のSNSで明らかにした。

 X(旧ツイッター)とインスタグラムを更新し、「今日は皆さまにご報告があります」とした日本語と英語の文書画像をアップ。そして「小さい頃からテニスに夢中になり、『世界で戦いたい』という思いだけを胸に走り続けてきました。その中でトップの舞台に立ち、トップ10という場所まで辿(たど)り着けたことは、自分にとって大きな誇りです」と伝えた。

 また「度重なる怪我(けが)との戦いの中で、思うようにプレーできないもどかしさや、不安に押しつぶされそうになったこともありました。それでも『テニスが好きだ』『もっと強くなれる』という思いが、何度でも自分をコートに戻してくれました」という。「正直に言えば、今でもコートに立ち続けたい気持ちはあります。 それでも、これまでのすべてを振り返ったとき、『やり切った』と胸を張って言える自分がいます」と力強い言葉を記した。

 そして「テニスという競技に出会えたこと、この道を歩んでこられたことを、 心から幸せに思います。残りの試合も、一瞬一瞬を大切に、最後まで戦い抜きます」とつづった。

 最後の大会は、まだ決めていないというが、9月30日から10月6日まで、2012、14年と2度の優勝を誇る木下グループ・ジャパン・オープンが、日本のテニスの聖地である東京・有明で開催される。日本が生んだ世界最高峰のアスリートの最後の舞台となる可能性が高い。

 以下、投稿全文。

今日は皆さまにご報告があります。

このたび、今シーズンをもって現役を引退する決断をいたしました。

小さい頃からテニスに夢中になり、「世界で戦いたい」という思いだけを胸に走り続けてきました。

その中でトップの舞台に立ち、トップ10という場所まで辿り着けたことは、自分にとって大きな誇りです。

限界に挑み続ける日々の中で、勝利の喜びや敗戦の悔しさ、 満員の会場で感じたあの特別な空気は、何にも代えがたいものでした。

また、度重なる怪我との戦いの中で、思うようにプレーできないもどかしさや、不安に押しつぶされそうになったこともありました。

それでも「テニスが好きだ」「もっと強くなれる」という思いが、何度でも自分をコートに戻してくれました。

そのすべての過程が、自分の人生を豊かにし、今の自分をつくってくれたと感じています。

どんな時も応援してくださった皆さま、そして常にそばで支えてくれた家族に、心から感謝しています。

正直に言えば、今でもコートに立ち続けたい気持ちはあります。 それでも、これまでのすべてを振り返ったとき、「やり切った」と胸を張って言える自分がいます。

テニスという競技に出会えたこと、この道を歩んでこられたことを、 心から幸せに思います。

残りの試合も、一瞬一瞬を大切に、最後まで戦い抜きます。

錦織圭

 ◆錦織 圭(にしこり・けい)1989年12月29日、松江市生まれ。36歳。5歳でテニスを始め、13歳で元日本テニス協会会長の盛田正明氏が私財を投じて設立した盛田正明テニス・ファンドの支援を受け、米国IMGアカデミーにテニス留学。2008年2月に日本男子史上2人目のツアー優勝を遂げ、14年全米でアジア男子シングルス史上初の4大大会準優勝に輝いた。自己最高の世界ランキング4位はアジア男子最高位。16年リオデジャネイロ五輪男子シングルス銅メダルは、日本テニス96年ぶりのメダルの快挙となった。ツアー通算12勝とツアー本戦451勝(231敗)はアジア男子最多。家族は妻・舞さんと2人の子ども。178センチ、73キロ。

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