【ボクシング】井上尚弥 vs.中谷潤人――在米記者4人が予想...の画像はこちら >>

後編:専門記者4人が占う「モンスター vs.ビッグバン」5.2決戦

5月2日、東京ドームで行なわれる世界スーパーバンタム級四団体統一王者・井上尚弥(大橋)と、挑戦者の中谷潤人(M.T)の一戦。日本ボクシング史上最も注目を浴びる一方、世界のボクシングシーンからも大きな注目を集める一戦のポイントはどこになるのか?

前編では、「勝敗を分ける要素」を識者4人にそれぞれの視点で挙げてもらったが、後編ではズバリこの試合の行方、そして結果を受けてのふたりの今後についても予想してもらった。

前編〉〉〉「1.勝敗を分ける要素は?」

【パネリスト】

◆スティーブ・キム(ロサンゼルス在住。元ESPN.com』のシニアライターで現在もフリーランスライター/ポッドキャスターとして活躍 X : @SteveKim323)

◆エイブラハム・ゴンサレス(ロサンゼルス在住。『FightsATW.com』の創始者であり、リングマガジンのランキング選定委員 X : @abeG718)

◆ディラン・ヘルナンデス(ロサンゼルス在住。『カリフォルニア・ポスト』紙のレポーター/コラムニスト X : @dylanohernandez)

◆ジョー・キンバオ(ニューヨーク在住。元2階級制覇王者テオフィモ・ロペスなど多くの著名ボクサーのカットマンを務める X: @IamJoeQuiambao)

2.試合の展開と結果予想は?

キム : ビッグファイトでの経験値を考えて、やはり井上を推したい。中谷はスタイル的にもフィジカル的にも厄介な相手だが、井上は焦らず我慢強く戦い、好機を見極めながらポイントを積み重ねていく展開になると見る。最終的には堅実な判定勝ちを収めるのではないだろうか。最近の試合では井上が左を被弾する場面も見られるが、今回のキャンプでその点はしっかり修正されているはずだ。

ゴンサレス : 試合は非常に戦術的なものになりつつ、ところどころで激しい打ち合いが生まれるだろう。最終的には、中谷がリーチやフィジカル面でのアドバンテージを最大限に生かし、スプリットデシジョン(2-1の判定)で勝利すると予想する。

ヘルナンデス : 判定になる可能性が高いと思う。井上は中に入る展開が多くなるが、中谷はクリンチで止めにくるはずだから、レフェリーはかなり忙しくなるだろう。

井上としてはボディから崩して、どこかで顔面へのパンチにつなげたいところ。中谷はサイズの利点ゆえにこれまではあまり被弾してこなかったが、身体が立ち気味のところを井上に突かれる可能性はある。中谷もタフではあるために簡単には倒されないと思うが、井上が判定勝ちを飾ると見る。スコアは116-112か117-111くらいになるんじゃないか。

キンバオ : 命のやり取りのような激しい試合になると思う。ただ最終的には井上が勝つと見る。とにかくエキサイティングな試合になるし、記録に残る一戦になるだろう。結局のところ、井上がなんとかして勝ちきると思う。

3.試合後の展望(勝者・敗者それぞれの進路)

キム : もし井上が勝てば、フェザー級(126ポンド)に上げて、ラファエル・エスピノサ(メキシコ)、ブランドン・フィゲロア、ブルース・キャリントン(ともにアメリカ)といった選手との対戦を見てみたい。いずれも現王者であり、評価の高いファイターだ。フェザー級こそが"モンスター"にとって最後のフロンティアになると思う。

 一方の中谷については、勝敗にかかわらず、しばらくスーパーバンタム級(122ポンド)にとどまり、スーパーフライ級からバンタム級への昇級が決まった(2階級制覇王者の)ジェシー・"バム"・ロドリゲス(アメリカ)とのビッグマッチ実現に向けた流れを作ってほしい。

ゴンサレス : 試合結果が非常に議論を呼ぶものとなり、日本で大晦日に再戦が組まれる流れになるのではないか。もし再戦が実現しなければ、井上はフェザー級へ階級を上げるだろう。中谷はスーパーバンタム級にとどまり、2027年にジェシー・"バム"・ロドリゲスとの対戦の可能性が出てくる。

ヘルナンデス : 自分が井上なら、ジェシー・"バム"・ロドリゲスがスーパーバンタム級まで階級を上げてくるのを待つ。結局ボクシングはビジネスであり、その面で"バム"との試合が最も大きくなる。

 井上対中谷戦は両者にとってキャリアを決定づける一戦になるが、それだけ注目を集めているのは"マッチアップ"が特別だからだ。"バム"との試合はプロモーション的にも面白くなる。ロベルト・ガルシア・トレーナーとその陣営は発信力もあるし、盛り上がる。だから自分ならそのタイミングを待つべきだと考える。

キンバオ : 井上が勝って126ポンド(フェザー級)に上げると仮定すると、対戦相手の選択にはかなり慎重になる必要がある。もともとライトフライ級からスタートしているから、ここまで階級を上げるのは非常に難しい。上の階級では単純に相手がより強くなる。

3戦前のラモン・カルデナス(アメリカ)戦でもそれは見えた。カルデナスはいい選手だけど、井上は苦戦してダウンも喫した。もし126ポンドでボクシングもできてパンチもある相手と戦えば、かなり厳しい戦いになる可能性がある。現時点でも勝てる王者や有力選手はいるとは思うから、とにかく相手選びが重要だ。

 それから"バム"との試合も面白い。軽量級を代表するふたりのトップファイター同士の対戦になるし、キャッチウェイトで実現する可能性もある。いずれにしても、"モンスター"にとってはこれからも非常に楽しみな道のりになると思う。

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