相撲部屋で作られる料理を総称して「ちゃんこ」と呼ぶ。今回は西岩部屋の「キムチチゲ鍋」を紹介する。

激しい稽古後でも不思議と箸が進む逸品だ。

 18年にできた新しいちゃんこ場に大きな鍋が2つ用意された。沸騰した鍋に豚バラ肉が1・2キロずつ投入された。いりこだしの素(もと)を入れて味噌をお湯で溶いて鍋に投入。ちゃんこを作った序ノ口・若花新(23)は「弟子が増えて鍋が2つになった。味噌は固まらないように溶かして入れるのがポイント」と明かす。

 続いて業務用キムチ1・8キロを900グラムずつ投入。見守る師匠の西岩親方(元関脇・若の里)は「ここでキムチの素を入れるのがポイント」。ほうれん草は「包丁で切ると口当たりがきつくなる」(同親方)とちぎって入れる。最後のごま油がアクセントで、香ばしい香りが漂ってくる。驚いたのは仕込みを除いて完成まで約20分。「生活の中心は稽古。

料理に時間をかけすぎてはいけない」と“時短”にもこだわっている。

 同部屋のちゃんこ番は当番制で全員が担当。各力士はレシピをノートに手書きし、20冊を超える者も。元横綱・隆の里が師匠だった鳴戸部屋(当時)に入門した西岩親方は「ちゃんこ場と稽古場はつながっていると教えられた。頭を使ってちゃんこを作ると、相撲でも考える力がついて強くなれる」。力強い言葉に部屋がピリッと引き締まった。(山田 豊)

 ◆キムチチゲ鍋(4~5人前)

 ▽材料 豚バラ肉300グラム、白みそ、いりこだしの素4グラム、キャベツ1/8、ニラ1/2束、ほうれん草1/2束、中玉ネギ半分、きぬ豆腐1丁、もやし1/2袋、しめじ1/2パック、えのき1/2パック、キムチ150グラム、キムチの素、ごま油

 ▽作り方 〈1〉水800ミリリットルを沸騰させ、豚肉を入れる。あくを取り、いりこだしの素を入れる〈2〉鍋に白みそ大さじ2を溶く〈3〉キムチ150グラム、さらにキムチの素をお好みに合わせて入れる〈4〉半月切りにした玉ネギ、豆腐、しめじ、えのき、もやし、ざく切りにしたキャベツ、ニラ、手でちぎったほうれん草の順で入れる〈5〉最後にごま油を入れて調整

編集部おすすめ