4月17日公表のNBCニュース調査でトランプ政権の支持率は過去最低の37%を記録。21日公表のロイター調査で36%、AP/シカゴ大学全米世論調査センターの調査で33%に。
強硬な移民排除政策も共和党支持者から反発を買っており、11月中間選挙では共和党優位とされる上院でも過半数割れを危ぶむ声が出ている。
ジャーナリストの岩田明子氏は、トランプ政権の支持率急落の背景にはイラン攻撃や物価高だけでなく「政権内部で物申す側近や信頼できる助言者の不在」があるとみる(以下、岩田氏の寄稿)。

トランプ支持率が30%台へ急落。岩田明子が指摘する「第2次政...の画像はこちら >>

イラン攻撃と物価高が直撃 急落するトランプ支持率

トランプ米大統領の支持率が低下している。ロイターやAP通信などの各種調査では30%台半ば。トランプ寄りの右派メディア、FOXニュースの調査は41%だったが、それも’17年以来、最低の数字だ。

原因は複数ある。1つには、2月に始まったイランへの攻撃だ。各種調査を見ると、2月末以降、如実に支持率が低下していることがわかるのだ。熱烈なトランプ支持者として知られるFOXニュースの元ホストまでが、イラン攻撃を「歴代大統領が犯した唯一にして最大の過ち」と批判したことは大きな話題になった。

2つ目の理由は、イラン情勢の悪化に伴うガソリン価格の上昇だ。いずれの調査でも「インフレ対応を支持しない」という人が高水準にある。

さらに、イランとの停戦交渉で見られる“ブレブレ”の姿勢を憂慮する声も上がる。もはや、何度「停戦延長はしない」という言説を翻したかはわからない。
大統領就任当初には「24時間以内にウクライナ戦争を終結させる」と宣言していたが、周知のとおり、その実現にはほど遠い。思いどおりにいかないイラ立ちがブレる姿勢に表れている。

“ご意見番”を失った政権の危うさは高市首相にも重なる

私はかつて安倍首相番として、第1次政権時代のトランプ氏を目の当たりにしてきたが、これほど主張がブレることはなかった。推察するに、背景にあるのは“ご意見番”の不在だ。かつてはボルトン安全保障問題担当補佐官に、マティス国防長官、ティラーソン国務長官など、クビを宣告されても物申す側近が数多くいた。加えて、国外では安倍元首相やジョンソン元英首相などと気脈を通じていた。頼れる仲間が少からずいたのだ。ところが、第2次トランプ政権は「お友達だけ内閣」と揶揄されるような布陣で、米欧の橋渡し役を担ってきたメローニ伊首相はトランプ氏と距離を置き始めた。

私は、今のトランプ氏と高市首相には共通項があるようにも感じる。保守派の熱烈な支持を受ける一方で、意見できる仲間が多くないからだ。ここ1週間で毎日・日経が高市氏の「孤立」「孤独」を大見出しにしたことは象徴的だ。

他方で、民主党にはトランプ氏に対抗できる有力候補が見当たらず、日本の野党の支持が広がる様子も見られない。
ライバルの不在が日米両政権の追い風になっているのだ。

両者の決定的な違いは高市氏の高支持率に表れるが……高市氏が主張する「国論を二分する大胆な政策」が形になるのはこれからだ。トランプ氏と支持率でも歩調を合わせないことを祈りたい。

トランプ支持率が30%台へ急落。岩田明子が指摘する「第2次政権の危うさ」と高市首相に共通する孤独
岩田明子
<文/岩田明子>

【岩田明子】
いわたあきこ●ジャーナリスト 1996年にNHKに入局し、’00年に報道局政治部へ。20年にわたって安倍晋三元首相を取材し、「安倍氏を最も知る記者」として知られることに。’23年にフリーに転身後、『安倍晋三実録』(文藝春秋)を上梓。現在は母親の介護にも奮闘中
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