アニメ「ルパン三世」やNHKの紀行番組「小さな旅」の音楽で知られる作曲家でジャズピアニストの大野雄二(おおの・ゆうじ)さんが4日午前6時8分、老衰のため都内の自宅で死去した。84歳。

静岡県出身。葬儀・告別式は近親者で行った。喪主は姉の栗田和子(くりた・かずこ)さん。後日、お別れの会を開く。「ルパン」のほかにも映画「犬神家の一族」など多数の楽曲を制作。近年はバンドを率いてのライブや、公演のプロデュースを重ねていた。

 高校野球のブラスバンドの応援曲として知られ、誰もが一度は耳にしたことのある「ルパン三世のテーマ」。49年たった今でも多くの人が愛し続ける名曲の生みの親が、安らかにこの世を去った。

 大野さんの公式Xではこの日、所属事務所「株式会社オフィスオーガスタ」名義で4日に死去していたことを報告。「直前まで普段と変わらず過ごしており就寝中に苦しむことなく安らかに旅立ちました」と直前の様子を伝えた。誕生日となる30日にはビルボード東京で自身プロデュースのライブが予定されていたが「故人が生前より準備を整えておりましたため予定通り開催いたします」とした。

 高校時代に独学でジャズの演奏を始め、大学在学中からジャズピアニストとして活動。

30歳の頃から作曲家としてCM曲を大量に作るようになった。自身も「(作曲の)職人」と自負。「きのこの山」「レディーボーデン」などCM曲も手がけた。

 「ルパン三世」シリーズの音楽を担当したのは、1977年のセカンドシリーズから。2021~22年に放送された6作目まで、劇中曲の作・編曲を手がけた。テーマ曲は疾走感と哀切な響きを兼ね備えたメロディーがアニメの世界観とマッチ。アレンジを変えて多彩なバージョンを編み出し、多くの人に愛された。映画でも76年「犬神家の一族」や77年の「人間の証明」など数多くの名曲を生み出した。

 大野さんは22年の本紙インタビューで、「ルパン」のテーマ曲について「最先端だと飽きられるのが早い。最先端より、アレンジが変わっても古くさくならない骨太な曲を目指した」と語っていた。「犬神家の一族」については「印象に残るように(随所で)少しずつメロディーを出して、エンディングでメインテーマを全て流す。(エンドロールで)余韻に浸ってもらいたかった」と解説。

作曲については「仕事が来ないと書かないんだよ。僕は特に怠け者、仕事が来て初めてスイッチが入る」と茶目っ気たっぷりに自己分析していた。

 2000年代以降はは作曲活動を抑え、「大野雄二トリオ」などでライブ活動に注力していた。22年3月の体調不良により入院し、24年5月に復帰。活動再開後は演奏はせず、編曲・プロデュースに専念していた。

 ◆大野 雄二(おおの・ゆうじ)1941年5月30日、静岡・熱海市生まれ。小学校でピアノを始め、高校時代に独学でジャズを学ぶ。慶大在学中にライト・ミュージック・ソサエティに在籍。「藤家虹二クインテット」でジャズピアニストとして活動を始める。「白木秀雄クインテット」を経て、自身のトリオを結成。解散後、作曲家として「ルパン」テーマ曲のほか数々の名曲を生み出した。

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