大相撲 ▽夏場所12日目(21日、両国国技館)

 小結・若隆景(荒汐)が3敗対決に完勝した。平幕・豪ノ山(武隈)の鋭い立ち合いを受け止めて体を開いて突き落とした。

「踏み込みは相手の方が良かった。下から攻める意識だった」とうなずいた。過去4戦全勝と相性の良い相手だが「全く考えていない」という。首位の2人を1差で追うが、「一生懸命相撲を取るだけ」と無欲だった。

 昨年秋場所は大関取りに挑んだが、首痛もあり6勝9敗。大関昇進どころか平幕に転落した。前頭筆頭だった今年の春場所前には右肘の靱帯(じんたい)を伸ばすアクシデント。手術の選択肢もあった中、「(復帰まで)3か月かかると言われた」と痛みと付き合う道を選んだ。関脇だった23年春場所では右膝大けが。幕下まで降下した過去の苦い記憶や年齢も考慮した。すぐに帰京し細胞や組織の再生を促進する「PRP治療法」を行った。

 師匠の荒汐親方(元幕内・蒼国来)は今年春場所は初日から休場し、途中出場を提案した。

だが、若隆景は横綱、大関との対戦のため初日からの出場を志願。いきなり横綱・大の里から初金星を獲得した。ただ、その代償は大きく、勝ち越した13日目・阿炎戦で患部が悪化。14日目に休場した。春巡業は休場し、リハビリと地道な下半身強化で今場所に備えた。

 稽古で相撲を取り始めたのは初日の10日前。「しっかり体を動かしてきた。あとは一生懸命、相撲を取るだけ」と何度も大けがを乗り越えてきた自信が、2ケタ勝利に王手をかけた。

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