巨人は17日、元中日でナショナルズ2Aハリスバーグの小笠原慎之介投手(28)と契約を結ぶことで合意したと正式発表した。NPB通算46勝。

24年シーズン終了後に中日からポスティングシステムで米球界に挑戦し、昨年はメジャーで1勝を挙げた。今季はメジャー登板はなく、先発としてマイナー3Aで3登板0勝1敗、防御率5・68。同2Aでは8登板2勝1敗、防御率2・15の成績を残していた。中日時代に共にプレーした加藤翔平記者が、小笠原という投手の人物像を証言した。

 小笠原は「マウンドに上がったら誰にも譲らない」という強い意地とプライドを持ち、全ては登板までの取り組みが裏付ける。食事管理やサプリメント摂取を積極的に取り入れ、知識も豊富。ウェートトレーニングの日にはタンクトップ姿で大粒の汗を流し、徹底的に全身を追い込む。全メニューを消化するために要する時間は、2時間超えがざらだ。プロ入り時に苦手だったランニングでも400、800メートル走など、他選手が嫌がるメニューを自らトレーニングコーチに提案して実行。周囲が認めるストイックな姿勢で野球に向き合ってきた。

 自身2度目の開幕投手を務めた中日時代の23年3月31日の開幕戦・巨人戦(東京ドーム)は、7回を投げ終え2安打1失点の好投。2―1と1点リードの8回も続投を志願したが、2死一、二塁から中田翔に逆転の2点三塁打を浴びて降板。

145球の熱投を見せたが、目を真っ赤にしてマウンドを降りた。ベンチで唇をかみ締め、涙をこらえながらも真っすぐグラウンドを見つめる姿に「慎之介を負けさせてはいけない」と一つになったチームは、9回に一挙4得点で再逆転して勝利。信念を持った強い気持ちを周囲に伝染させる不思議な力を持つ。

 マウンドで強気な姿を見せる一方、180センチ、93キロの体に似合わない繊細な性格。整理整頓が得意で、自身のロッカーは常に清潔な状態を保つ。自炊もお手のもので、カレーはスパイスから、タコスは生地から作るほどこだわりが強い。サプライズ好きで後輩選手の面倒見も良く、「無駄な言葉をかけず、本当に必要な言葉だけを伝えてくれる」、「落ち込んだときに察してくれて、何も言わずに好きなものを食べさせてくれる」と、人望も厚い。

 昨季は夏場に先発投手陣の故障者が続出して苦戦を強いられた巨人。21年から4年連続で規定投球回をクリアし、22年には2ケタ10勝を挙げた左腕の加入は大きい。スタミナ面での問題はなくイニングを稼げる投手なだけに、救援陣の負担減にもつながる。14年ぶりの日本一を目指し首位を走るチームに、さらなる追い風を吹かせる。

 ◆小笠原 慎之介(おがさわら・しんのすけ)1997年10月8日、神奈川・藤沢市生まれ。

28歳。東海大相模で2、3年夏に甲子園出場。3年夏はエースとして甲子園優勝。15年ドラフト1位で中日入団。25年1月にポスティングシステムを利用してナショナルズと2年契約。今季は主にナショナルズ傘下2Aハリスバーグでプレー。180センチ、93キロ。左投左打。

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