◆JERAセ・リーグ 阪神2×―1ヤクルト=9回サヨナラ=(11日・甲子園

 絶体絶命のピンチで、阪神・工藤泰成投手が本領を発揮した。1点リードの8回に2番手でマウンドへ。

先頭・中村悠に中前打を浴び、続く代打・塩見の三ゴロを佐藤がファンブル。さらに痛恨の四球で無死満塁となった。それでも、集中力は切れなかった。岩田を投ゴロ、セデーニョを空振り三振。そして、4番・サンタナへの初球で自己最速更新の163キロを計測し、最後は直球で空振り三振に仕留め、雄たけびをあげた。無失点で切り抜けた瞬間は「あまり覚えていないです」と苦笑。記憶が飛ぶほど、気持ちが高ぶった。

 20~21年に守護神を務めたスアレス(現ブレーブス)に並ぶ球団最速の163キロをマークした。「ベンチで知って、そんな出てたんだって(笑)。出たのはうれしいです」とはにかんだ。バッテリーを組んだ梅野は「いい球でしたね。気持ちも入って最高でした」と絶賛。

当時スアレスの剛球も受けており「(スアレスと球の感じは)また違う。工藤は引っかけたまっすぐの方が速く感じる。スアレスの方が重たい感じかな」と比較した。

 チームはヤクルト戦の連敗を3でストップし、セ・リーグ単独首位の座を守り抜いた。藤川監督は「自分の現役のときを思い出してみても、ああいうところで力強くいったというのは、ファンの方のボルテージも最高潮に上がってくれましたし、球場とともに工藤という投手、ほかの投手もそうですけど、こういうふうにして乗り越えていくんだというのが見て取れたイニングでしたから、ゾワゾワとしました。こちらもね」と工藤の姿を日米通算245セーブを記録した自身の現役時代と重ねた。「もっと磨きをかけていきたい」と右腕。次世代の中継ぎエースになる。

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