モデルで俳優のUTA(28)が、Netflixで話題沸騰の「ガス人間」(全8話、片山慎三監督)で、主要キャラクターのガス人間を怪演している。スポーツ報知の取材に、同役の役作りや俳優デビューを飾った心境を語った。

 得体の知れないガス人間を演じる、UTAの特異な存在感に惹(ひ)きつけられる人が続出している。Netflixと東宝が初タッグを組んだ話題作で、人間が膨張し爆死する前代未聞の連続殺人事件を描く。2日から配信され、日本の週間TOP10で2週連続1位を獲得している。

 並々ならぬ覚悟で臨んだデビュー作だ。俳優・本木雅弘とエッセイスト・内田也哉子さん夫妻の長男で、祖父母はロック歌手・内田裕也さん、女優・樹木希林さん。芸能一家に育ったが、自身は大学まで米国でバスケットボールに打ち込み、男子日本代表を選抜する合宿に招集された実力を持つ。希林さんの助言でモデルの道に進み、18年にパリコレデビュー。190センチの長身と語学力を生かし世界で活躍してきた。

 徐々に俳優業へ意欲が芽生えたといい、「一対一で父に(俳優挑戦への)気持ちを話した時、『自分をさらけ出す覚悟が必要だし、決して甘くない世界だ』とかなり厳しく言われました」。父からの激励を胸に地道にワークショップに通い、海外作品を中心にオーディションを受け、落選する日々を送る中で本作の出演オファーが舞い込んだ。

 共演陣には小栗旬、蒼井優、広瀬すず、竹野内豊ら名だたるキャスト陣がずらり。「豪華な俳優陣の中に自分が入っていいのか不安はたくさんあった」が、約3年にわたり演技訓練など綿密な準備を重ねた。

 ガス人間は、まばたきを一切せず、呼吸もほとんど感じられない無機質な役柄。初演技にしては難役だが、モデルとしての経験が役立ったという。

 「モデルとしてファッションショーのランウェーを歩く時は、まばたきをせず基本は無表情で洋服を魅せることが求められる。ガス人間のたたずまいにも近いものを感じました」。天性の感覚が見る者に不気味さと独特なインパクトを与えた。

 全裸に近いシーンもあり、「体を鍛えて大きくした後に、細かな食事制限などで体を絞っていった」と体重を78キロから10キロ減量し、本格的なボディーメイクも敢行。ガス人間だけでなく、物語の鍵となる優しい青年役も演じ分け「二面性をいかに表現できるかも大事にしました。芝居の難しさも楽しさも実感できましたし、まだまだ学ばないといけないことがたくさんある」。

 完成作は家族と観賞したという。

 「両親からは『すごく素敵な作品に仕上がっているね』『親としてほっとした』と言ってもらえた。業界の大先輩の父にそう言ってもらえて自信になりました。生きていたら、祖父母にも見てほしかったなあ。

でも、祖母は(俳優業は)『やめておきなさい』と反対すると思いますね(笑)」

 俳優として一歩を踏み出し、「血筋のプレッシャーはない。だけど、今後は自分なりにどう進化していけるかが勝負」。可能性十二分の新星から、目が離せない。(奥津 友希乃)

 ◆UTA(うた)1997年10月1日、東京都生まれ。28歳。中学時代にスイス留学。高校、大学は米国のバスケットボールの強豪校に進学。2018年にパリメンズコレクションでモデルデビュー以降、エルメス、アルマーニなどのショーに出演。英語、フランス語など語学も堪能。「JIRO」名義でラッパーとしても活動している。

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