◆プロボクシング ▽61・0キロ契約8回戦 藤木勇我―ジュフェル・サリナ ▽WBA世界ライトフライ級(48・9キロ以下)王座決定戦12回戦 吉良大弥―カルロス・カニサレス ▽WBA世界ミニマム級(47・6キロ以下)王座決定戦12回戦 石井武志―ウィルフレド・メンデス(9月2日、横浜BUNTAI)

 アマチュア49戦全勝(33RSC)を誇り、世界ユース、全日本選手権など9冠を獲得した「ザ・キング」藤木勇我(18)=大橋=が20日、横浜市の所属ジムで練習を公開。フィリピン・スーパーフェザー級12位ジュフェル・サリナ(フィリピン)とのプロ第2戦へ「気持ちが前面に出る試合になると思う。

どのパンチでも倒せるように準備している」と自信をみなぎらせた。

 藤木はシャドーボクシング、鈴木康弘トレーナー(38)を相手にしたミット打ち、サンドバッグ打ちを各1ラウンドずつ行った。対戦相手のサリナは19戦11勝(8KO)7敗1分けの戦績を持つ好戦的なサウスポー。岡田誠一トレーナー(44)は「プロっぽいガンガン来る選手に対してどう戦うか、という部分が見えてきたと思う」と仕上がりに手応え。鈴木トレーナーも「足を使いながらも、接近戦もできる。試合ではそういういろいろな攻防を見てほしい」とデビュー戦からの成長に自信をのぞかせた。

 6月10日のプロデビュー戦ではいきなりメインイベントに抜てきされ、WBOアジアパシフィック・スーパーフェザー級15位ウィラ・ミカム(タイ)に2回TKO勝ち。しかし、自己採点は「30点」と厳しかった。藤木は「気持ちの部分だったり、あとはアマチュアの頃に出していたパワーとプレッシャーのかけ方」と残る70点を埋めるための課題を列挙。「デビュー戦では『打たれないこと』を意識しすぎていた。『攻撃は最大の防御』ということで、攻撃しながら自分のパンチでダメージを与えつつ、相手のパンチを食らわないことを意識してやっている」と明確な進化をリングで示すことを誓った。

 スパーリングは、木村蓮太朗(駿河男児)、高橋麗斗(パンチアウト)、橋本舞孔(DANGAN)ら実力者を相手に、ここまで約80ラウンドを積み重ねてきた。

前日19日には、スパーリング相手を務めた高橋がWBOアジアパシフィック・ライト級新王者に輝いた。「刺激になっているし、悔しい気持ちもあります。僕も早くあの舞台に行きたい」と闘志を燃やした。大橋秀行会長(61)は、今回の試合をクリアすれば3戦目に「大きな試合」が決まったと明言。地域タイトルに挑戦するプランが浮上した。藤木は「この一戦は通過点としか思っていないが、この試合に勝たないと次にも進めない。今はこの一戦だけに集中している」と強調した。

 ノンタイトル戦に向けた公開練習が行われることは、極めて異例だ。大橋ジムでは、世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥以来、2人目となる。大橋会長は「アマ49戦無敗でアジアユース、世界ユースで金メダル、全日本選手権も優勝している。これまでいない選手なので、その扱いは世界戦の扱いと同じで当然だと思ってやっています。特別ではなく、当然だと思っています」と破格の扱いにも理由があるとした。

 世界的にも層が厚い中量級。大橋会長は、藤木の今後の展望について「スパーリングの内容を見ていれば、すぐにでも(世界へ)行っていいが、この階級は軽量級とは違うものがある。焦らずにじっくり経験を積ませて、来たるべき日に備えたい。何年以内とか最短とかは決めずに、じっくりいきたい」と着実な歩みを重視する方針を示した。「まずは経験が第一。経験というのは試合だけでなく、練習でも。海外へ行ってスパーリングをやらせたり、いろんな経験を積ませたい」。3戦目の「大きな試合」の後には、海外で約1か月間のスパーリング合宿を行う計画もあるという。「ザ・キング」は、「モンスター」以来の期待を背負って世界を目指す。

 試合は映像配信サービス「Leminoプレミアム」で独占生配信される。

 ◆藤木 勇我(ふじき・ゆうが)2007年12月25日、大阪市生まれ。18歳。

元プロボクサーの父・直樹さんの影響で、兄・勇利(現東農大2年)とともに小学1年からボクシングを始める。大阪・興国高で計6度出場した高校全国大会(選抜、総体、国体)を全制覇。23年にアジアジュニア選手権(アジアユース)、24年にU―19世界選手権(世界ユース)、25年に全日本選手権を制し、アマ9冠を達成。好きなボクサーは元世界4階級制覇王者・ローマン・ゴンサレス。座右の銘は「楽な道より楽しい未知を」。

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