俳優の品川徹(しながわ・とおる)さんが8月29日、死去した。90歳。

所属事務所が7日、公式サイトで発表した。リンパ腫の療養中だったという。

 所属事務所によると、体調悪化により、近年は仕事をセーブ。最後の仕事は舘ひろし(76)主演で今年6月19日に公開された映画「免許返納!?」(河合勇人監督)だった。葬儀については「故人と家族の強い意向により近親者のみで執り行いました」。お別れの会も故人の遺志により、行う予定はないという。

 鋭い眼光で作品を締めた名バイプレーヤー。北海道・旭川出身で家具職人の修業の傍ら定時制高校の演劇部に入ったことで、演技の魅力に開眼した。俳優を目指して上京し、劇団「自由劇場」を経て、役者がせりふを話さない「沈黙劇」で知られる「転形劇場」の団員となり、主宰の太田省吾氏が作・演出する全作品に出演した。

 主に舞台を中心に活躍してきたが、03年に67歳で出演した「白い巨塔」で注目され、知名度を上げた。主人公の財前(唐沢寿明)や里見(江口洋介)の恩師にあたる病理学医で、教授選の陰謀や誤診にまつわる裁判でも自らの良心に基づき行動する大河内教授役が話題となり、映像作品のオファーが激増するようになった。

 「ドラゴン桜」では、05年の第1シリーズ、21年の第2シリーズともに数学の特別講師・柳を演じ、竹刀を振り下ろして学生に計算問題を解かせるスパルタぶりで強烈なインパクトを残した。

近年は大林宣彦監督や北野武監督の映画に起用されるなど、大作でも存在感を発揮。どんな作品でも異質な空気を一瞬で作り上げる名脇役だった。

 プライベートでは2度の結婚経験があるものの、晩年は独身。80代を超えてもブログやフェイスブックをこまめに更新するなど、インターネットにも精通していた。

 ◆品川 徹(しながわ・とおる)1935年12月14日、北海道旭川市生まれ。62年に舞台芸術学院を卒業し、劇団自由劇場に入団。2003年にフジテレビ系「白い巨塔」で注目を浴び、15年には第24回日本映画プロフェッショナル大賞・特別賞を受賞。舞台、映画、テレビと幅広く活躍した。近年では、25年に映画「ドールハウス」、今年も映画「免許返納!?」に出演するなど長く活動した。

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