テニス四大大会・全米オープンの車いすテニスの部が現地時間8日に開幕する。男子史上初の年間4大大会全制覇に挑む世界ランキング1位の小田凱人(東海理化)が、大会を中継するWOWOWの現地リポーター松岡修造インタビューに応えた。

 ―今の気持ちは?

 いろいろなものをまとってきた感じがあります。背負っているわけではないんですけど、タイトルを取ったり、記録を作ったりする中で、いろんなものが付いてきてくれている感覚があります。自分が持っているものに自信があるので、自然体というか、素でいられますね。去年までも、自分の中で芯みたいなものは持っていたつもりでしたけど、全然足りなかった。今はちゃんと心から思えます、「俺なら大丈夫だ」と。

―昨年の全米オープンで達成した生涯ゴールデンスラムは、大きな経験になった?

 大きかったです。ただ、逆に、あのような勝ち方はもうしたくないと思いました。昨年は相手の時間が多い試合でした。勝てたからそれでいいと思ってしまった部分もありましたが、今はそう思えません。1試合を通して、もっと自分の時間を増やして勝ちたい。常に自分のペースで試合をしたいという思いが強くなっています。ウィンブルドンでは、それができたと思います。

今回もそれを追求していきたいです。

―どのようなテニスを目指している?

 普通の枠からはみ出したプロを目指してきました。「自分はそういう選手になってやる」という気持ちでやってきて、今はそのスタイルが固まってきた感覚があります。以前は、テニスもプレースタイルも常識外れだと思われていたかもしれません。でも今は、それが自分のスタンダードになってきた。自分でもそう感じますし、周りの選手からもそう見られているのではないかと思います。ようやく自分のスタイルに根っこが生えてきた感覚です。自分が常識外れのことをして、それが一つの形になれば、次の世代にとって新しい選択肢になります。そういう選択肢が増えてほしいと思っています。

―実績を積み重ねている一方で、車いすテニスをより多くの方々に知ってもらわなければならないという課題もあります。そのギャップを感じることはある?

 もっと上を目指したいと思っています。今ここにいる人たちの中で、「トキト・オダ」という選手をどれだけの人が知っているかといえば、まだ限られていると思います。

実際に車いすテニスの試合を生で見たことがある人も、まだ少ないと思う。試合を見てもらうためには、これまでとは違うベクトルからのアプローチも必要だと思います。どれだけ勝っていても、自分からアクションを起こさなければ、誰かが自然に盛り上げてくれることはないと思います。現役選手だからこそ、自分たちからもっと多くの人を巻き込みたいです。

 日本では、僕の名前を知ってくれている人も少しはいるかもしれない。けど、試合を見たことがあるという人は限られていると思います。でも海外に行くと、状況はもっと厳しいです。会場でたくさんの試合が行われている中で、車いすテニスを選んで見てもらうのは、現状では難しいと感じます。僕が逆の立場でも選ばないかもしれない。どうすれば足を止めて見てもらえるのか。次は、そこにチャレンジしたいことです。

―年間グランドスラムという偉業達成に向けて、本大会で大切にしたいことは?

 今はあまり意識していません(笑)。

まずは強い姿を見せたい。結果として、後から年間グランドスラムがついてきてくれたらいいと思っています。

―新たに練習してきたことはある?

 フォアハンドは、過去一です!何か特別な発見があったというよりも、ずっと感覚が良い状態が続いています。ウィンブルドンが終わった時に、「負け方が分からないのは危ない」と思いました。練習で負けないと、負ける経験をする場がない。なので、コーチの知り合いなど、強い人たちに本気でプレーしてもらいました。毎日のように負けましたが、うまく調整できたと思います。

―最後に意気込みをお願いします。

 もちろん、強い姿を見せたいです。そして、日本でもっと車いすテニスを根付かせたいです。車いすテニスが盛り上がってくれたら嬉しい。それに尽きます。

頑張ります!

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