◆第31回秋華賞・G1(10月18日、京都競馬場・芝2000メートル、良)

 牝馬3冠最終戦の第31回秋華賞・G1が18日、京都競馬場の芝2000メートルで争われ、モンローウォーク(戸崎)が首差の激戦を制した。デビュー5連勝で、コースレコードタイでのG1初制覇。

“令和のファインモーション”と称される怪物が、単勝1・3倍の断然人気に応え、02年の“本家”などと並ぶ史上4頭目の無敗での秋華賞馬に輝いた。

 単勝1・3倍の断トツ人気も力でねじ伏せた。ヒーローインタビューの最後。「ベリベリホース! ベリベリユアホース!」。そう絶叫した戸崎の笑顔が弾けた。

 最後の直線。道中5番手のモンローウォークは、先に抜け出したギャラボーグの外からノーステッキで瞬時に並びかけた。ここで戸崎が左ステッキ一発。楽々と頭ひとつ分前に出ると、仕上げの一発で勝負あった。レースレコードを0秒8更新する好時計。無傷5連勝でビッグタイトルをつかんだ。

 競馬に絶対はない。

単勝オッズは、18年に牝馬3冠を達成したアーモンドアイと同じ。プレッシャーはあったはずだが、“令和のファインモーション”と戸崎は、見事にファンの期待に応えた。着差は首差だったが、鞍上の感触は違った。「今日は4コーナーの雰囲気で勝ったなと思いました」。7年ぶりの桜花賞馬、オークス馬不在となったが、世代の新女王に堂々と名乗りを上げた。

 5Rの新馬戦(芝2000メートル)で“予行演習”も済んでいた。上村調教師と戸崎のコンビは、同じキズナ産駒ビンドゥングで勝利。そのレースで体感した馬場状態などを頭に入れ、大一番でのレース運びにつなげた。無事にタイトルを持ち帰ったモンローウォークに、大急ぎで駆け寄った指揮官は「まずはホッとしています。今の馬場にも不安はなかったし、しっかりと勝ち切ってくれましたね」と頬を緩めた。

距離延びても大丈夫 初のG1、初の2000メートルにも対応し、この勝利で選択肢は大きく広がる。「今日の競馬を見ても、距離は延びても大丈夫そう。

今後はいろいろな舞台に挑戦すると思うので、応援していただければと思います」と上村師。次なる目標は“本家”と同じエリザベス女王杯か、はたまた古馬牡馬とのG1初対決か。怪物牝馬から、ますます目が離せなくなった。(松ケ下 純平)

◆モンローウォーク 父キズナ、母アンフィトリテ2(父セブリング)。栗東・上村洋行厩舎所属の牝3歳。北海道安平町・ノーザンファームの生産。通算成績は5戦5勝。主な勝ち鞍はローズS・G2(26年)。総獲得賞金は2億171万2000円。馬主はエムズレーシング。

 上村師兄弟の絆 

 モンローウォークは上村洋行調教師が付きっきりで調教をつけ、実兄の上村典久厩務員が体調管理などを担当。勝利後、検量室前に引きあげてきたワンシーンが印象的だった。

モンローの左肩を兄がなでると、直後に右肩を弟のトレーナーがなでて、ねぎらっていた。

 兄は藤原厩舎の調教助手時代、08年のヴィクトリアマイルで厩舎に初G1を届けたエイジアンウインズなどを担当した腕利きだ。モンローに関しては「調教だけに集中してもらえるように、しっかりカバーするのが僕の役目」と、馬体重の管理や、輸送での変化などに細心の注意を払ってきた。トレーナーが「普通にまわってくれば勝てると思う」と自信をのぞかせてきた裏には、兄の存在があったから。勝利後のふとした瞬間を見て、まさに2人で育て上げてきた一頭だと胸が熱くなった。(松ケ下 純平)

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