
今季セーブ王(38セーブ)に輝いた楽天・松井裕樹投手(24)が17日、先発に転向することを明かした。「来季は先発をやります。
2年目の15年から抑えに定着。174センチ、74キロという小さな体をフル回転させ、139セーブを積み上げた。肉体への負担を考慮し、先発転向は昨オフにも検討されていた。クローザー候補の前パドレス・牧田の加入もあり、石井GMとの話し合いで決まった。
先発で実績を残してリリーフと両方こなせる“ユーティリティー枠”で東京五輪出場を目指す。「プレミア12にも呼ばれてますし(左肘違和感で辞退)、先発の適性も見せていければ、使い勝手のいい選手として呼んでいただける可能性があると思います」と言い切った。
この日は、仙台市内の球団事務所で契約を更改し、新たに固定制の4年契約を結んだ。1億4000万円増の年俸2億5000万円は4年間変わらず、これに出来高がつく。国内FA権を取得できるのは、最短でも21年シーズン中だが、球団側が最大の誠意を示した形だ。松井は「入団して優勝の経験がないので、大好きな先輩たちと一緒にビールかけがしたいです」と目を輝かせた。
◆リリーフから先発に転向した主な投手
▽大野豊(広島) 若手時代は主に中継ぎとして活躍。入団8年目の84年から先発に転向し、2ケタ勝利4度。その後はクローザーも務め、通算148勝138セーブ。
▽摂津正(ソフトバンク) 入団1年目から2年連続で30ホールド以上をマークするなどセットアッパーとして活躍。3年目の11年から先発に転向すると、12年に17勝を挙げるなど5年連続2ケタ勝利を記録。
▽山口俊(巨人) 横浜(現DeNA)時代、入団4年目の09年からクローザーに定着。11年には34セーブをマークしたが、不調に陥ったことで14年途中から先発に転向。11勝した16年オフに巨人にFA移籍し、今年は15勝を挙げてリーグ優勝に貢献。