〈1〉単品強化の継続
〈2〉単品(点)から面へ
〈3〉冷凍食品喫食の裾野開拓
――の3点に注力する。7月9日の新商品説明会で発表した。
中食市場は拡大を続けている。日本総菜協会で発刊した「2019年度惣菜白書」によれば、2018年度の市場規模は約2%増の10兆2,518億円となった。冷凍食品においても冷凍麺など個食需要に応える商品は堅調に推移しており、今後の市場拡大には中食需要を取り込むことで一層の市場拡大を同社は目指す。
4~6月の同社の売上も前年同期比で2.3%増と順調に推移している。今年度は中食市場の拡大や冷凍麺の堅調な成長、食品ロス意識の高まりにより冷食需要にとって追い風になるとの見込みだ。一方で、物流費や人件費のコストは高騰し、消費税の増税も不確定要素として残っている。また、中食市場は伸びているが、消費者の意識は冷凍食品にまだそこまで向けられていないという。そのため、長期的には中食市場にもアプローチできるよう商品を訴求する。
今年度の施策の単品強化は、引き続き同社の目標としている売り上げ10億円を達成できる商品の拡大などに力を注ぐ。
単品(点)から面への取り組みは、商品をラインで展開し売り場での認知拡大を図る。例えば、「冷凍 日清具多 辣椒担々麺」の購入率は伸び悩み、購入者あたりの購入数も前年から0.2ポイント下がった。同社では間口の広がりに課題を残しているとしている。そこで、購入が男性中心の「冷凍 日清具多 辣椒担々麺」と共に、女性の購入を想定した新商品「冷凍 日清具多 白胡麻担々麺」を投入し、両軸で提案して支持拡大を目指す。
冷凍食品の喫食拡大では、自社のみの拡大にとらわれず、まだ冷食を利用したことのない人などに食べてもらうための機会創出を目指す。現在、若者世代の利用の間口は比較的広がっているが、シニア世代の1人当たりの購入は間口こそ大きいものの、停滞基調にあるという。「新たなユーザーを意識した商品開発をしていく」(山下健一マーケティング部長)考えだ。

山下健一マーケティング部長
同社の調べた2018年度のマーケット動向によると、調理冷凍食品の市場規模は前年比0.4%減の5,218億円でわずかに減少した。麺類や米飯類など多くのカテゴリーで成長が見られるものの、構成比の高いフライ類や惣菜類で苦戦したため全体としては微減となっている。弁当を除く冷凍麺全体は同3%増の974億円。
同社の動向はラーメン全体で同約20%増、汁なしは同約50%増だった。弁当を除くパスタは、スパ王プレミアムの2桁増が後押しし同約5%増。焼きそばは上海焼きそばの好調で同約35%増、米飯販はチキンラーメンの発売60周年効果もあり同約20%増となった。一方で和風麺は同約10%減となった。
〈冷食日報 2019年7月17日付〉