誰もが知ってる電話帳「タウンページ」。最近見ないな、なんて思っていませんか?それは昔の固定観念にとらわれているからかもしれません。

すっかり進化を遂げた「タウンページ」について、1月28日TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で、レポーター田中ひとみが取材報告しました。

まずはどう変わったのか?NTTタウンページ株式会社の栗原一知さんのお話です。

★「黄色くて分厚い」が一新!タウンページのいま◆NTTタウンページ株式会社 栗原一知さん:「タウンページのお届けというのは、基本的にはNTT回線をお持ちの方だけに届けていました。ピーク時は6000万強という数字でしたが、近年は携帯電話の普及によって、NTT固定電話がどんどん減少してきて、約3000万以下になってきていた。そこで、思い切って5年前からやっている施策が、全部のご家庭にタウンページをお届けしようというもの。今年の3月、北は北海道~南は九州・沖縄まで、すべてのご家庭・事業所にタウンページを届けることができることになりました。タウンページって、今までお届けしてたのは黄色と黒のものだったが、表紙を今までにないデザインに変えながら、手に取ってもらえるようにした。」

▼多くの人が想像するであろう、かつての「黄色くて分厚い」タウンページ

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▼NTTタウンページ株式会社の栗原一知さんに、いまと昔のタウンページを持っていただきました

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▼いま(上)と昔(下)の厚み比較。中身の掲載情報の精査や地域の絞り込みにより、かなり薄くなってます!

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▼タウンページ:(左)札幌市北部・石狩地方版/(右)新潟市東版

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▼タウンページ:(左)岡山県倉敷市/(右)広島県福山市

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お話に出てきた変更点は2つ。1つ目は、表紙のデザインが“黄色と黒”から変更され、各地域に合わせたデザインに変わっています。分厚い電話帳は過去の姿。今では地域を細かく分けることで、10分の1程の薄さが実現しました。また、地域の情報が特集されていたりと、電話番号だけ掲載されているわけではありません。

そしてもうひとつの変更点が、NTT回線の固定電話がない家庭にもタウンページが配られる事。今年から、日本中、すべての家庭と事業所にタウンページが配られることになります。発行年月は地域によって違うため、これから届く方も多いようですが、リニューアルされたのは5年前なので、見かけたことがある方はいると思います。

★現在の姿を知る人は少ないのであった

ただ、「結局最近はネットで調べちゃうんじゃない?」と思ったので、タウンページを使ってますか?と街の人に聞いてみました。

●「黄色い本ですよね。黄色くて文字いっぱいで番号が載ってる。使ったことないです。」●「公衆電話の電話機の下にあるやつを使ったくらい。重い、分厚い、黄色と黒。(いますごく薄くて…)そうなんですか?全然イメージがないです。」●「タウンページ届いてますね、はい。見ますよ、たまに特集みたいなページがあって介護の話とか、雑誌みたいな感覚。読むけどダメ? 読んでないの?みんな。」

中には変化に気づいている人もいましたが、みなさんタウンページといえば“黄色と黒”。ほとんどの人は、新しくなったことに気付いていませんでした。

★防災情報が載った冊子も

やはり何でもネットの時代…ということを踏まえて、実はもうひとつ、タウンページには、今までなかった大きな変化があります。再び栗原さんのお話です。

◆NTTタウンページ株式会社 栗原一知さん:「もうひとつ付録として、「防災タウンページ」というものを付けた。各地域の避難所マップを掲載して全部のご家庭に届けている。さらに公衆電話の位置も載せていて、災害になると携帯電話が使えないのでそれをカバーするために、公衆電話の位置を、NTTならでは感を出しています。」

▼防災タウンページ:(左)港区版/(右)久留米市版

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▼港区版に掲載されている「芝公園周辺地区避難マップ」。大震災時に通行止めの可能性がある道路に車のマークがあります

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▼久留米市版に掲載されている、公衆電話の使い方

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先月はじめ、ソフトバンクの通信障害がありましたが、なんらかの理由で通信障害が起きたり、災害が起こったあとなど「ケータイが使えなくなった時」の情報源として、「防災タウンページ」をつくったそうです(豪雪地帯では雪害への備えの情報なども載っている)。また、各地域の避難所や公衆電話の位置も掲載。今は公衆電話を掛けたことのない世代も増えたため、「公衆電話のかけ方」が載っている地域もあります。これがタウンページと一緒にすべての家庭に届き、全国の行政・都道府県のHPでも告知されていて、防災情報として活用を呼び掛けています。

それだけではなく、足立区では、2年に1回発行している区のサービス情報の冊子をやめ、タウンページ内で情報を発信したり、町田市では、市が進める「南町田駅」周辺の再開発の進展情報が載っている冊子を同封して配るなど、タウンページと行政が手を組む動きも出てきています。

★光るタウンページ、登場??

そして、今後もタウンページの挑戦は続きます。

NTTタウンページ株式会社 栗原一知さん「分厚い枕のようなタウンページから、ページ数が少なくて、見やすい電話帳にする。
編集方法も見直しながら今やっています。インターネットと比べて、夜中に災害が起こった時にどこに防災タウンページがあるんだろうとなるときに、「光る電話帳」ができないか、いま一生懸命頑張ってます。」

▼次なる挑戦は、光る防災タウンページ

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さらなる防災面での強化として、真っ暗の中でもタウンページを見つけられるように、「光る電話帳」をつくることが次の目標ということです。タウンページは電話帳だけではなく、防災情報、そして地域情報誌としての役割も担うようになってきました。

◆1月28日放送分より 番組名:「森本毅郎 スタンバイ!」内「現場にアタック」
◆http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20190128063000

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