きょうは、いまだに後を絶たない「無断キャンセル」について、8月26日TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で、レポーター田中ひとみが取材報告しました。

ここ数年、飲食店などで予約した客が連絡せずに来店しないことが増えており、店側が悲鳴をあげています。

2年前にもこのコーナーで取り上げましたが、現状はどうなっているのか。都内の飲食店2店舗に伺いました。

無断キャンセル、お店は困ってます!

◆居酒屋
「電話で団体とか10名、15名とかで予約されて、予約の時間になっても来ない。すぐに連絡するのは失礼なので、15分とか20分経って折り返すけど、電話がなかかったり繋がらないことが最近あった。コースの金額にして1人様5,000円からやってるけど、10名だと5万円の売り上げ、プラス食材とか、団体が入っていると他の予約が取れなくてお断りしている場合があるので、すごい損失。」

◆寿司専門の居酒屋
「コースみたいなものがないので、席予約のみのお客さんが無断キャンセルが多い。ここ最近だと週1回。キャンセル料みたいな、事前に話をしておけばいただけるかもしれないけど、自分もお客さん側に立ってしまったらそれも難しい。そこは目をつぶってしまう。」

▼居酒屋の空席・・・

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無断キャンセルの多くは、人気店だからとりあえず予約してみたり、行くのが面倒になったり、単純に予約したことを忘れたり、複数のお店を同時に予約したり、いろんなパターンがあるようです。

特に、今はネット上で簡単に予約が取れてしまうので、予約が簡便になった分、キャンセルの連絡を疎かにしてしまう人が多いようです。また、店側が無断キャンセルと気づいても、次の予約が迫っていて、結局3~4時間ほど空席になることが多く、その分の損害も大きな痛手となるようです。

無断キャンセルの全額保証サービス 登場

お話を伺うと、いまだに無断キャンセルがなくなっていないことが分かりましたが、何とかフォローしようとする会社がありました。ガルディア株式会社・代表取締役の小山 裕さんのお話です。

◆ガルディア株式会社・代表取締役の小山 裕さん
「飲食とか宿泊、美容院などの予約系のサービスに、無断キャンセルによる被害をお店に保証するサービスをやっている。例えば街中にある居酒屋の場合だと、大体、月5,000円~6,000円を保証料として頂戴する。そうすると大体、月20万円くらいを上限に、無断キャンセルの被害にあったら基本的に全額保証する。」

▼ガルディアのサービス概要

飲食店の無断キャンセル対策はここまで進化していた!

この「No Show(無断キャンセル)保証サービス」は、お店側が毎月保証料を支払い、無断キャンセルが発生した際には、基本的に全額保証してくれるというものです。店ごとに細かい保証料やサービスは異なりますが、飲食店の他にホテルや美容院も利用ができ、2年前にスタートしてからこれまでの契約数は、年内で約3万店舗に達する見込みだそうです。

実際に、月に10店舗以上保証金が支払われているそうで、平均5~10万円単位の損害が出ているお店が多いようです。

弁護士がキャンセル料を回収する「ノーキャンドットコム」

こういたサービスが登場するほど、無断キャンセルが後を絶たないということですが、今度は、無断キャンセルした人に対して、こんなサービスが立ち上がりました。弁護士の北 周士さんのお話です。

◆弁護士 北 周士さん
「サービス名は「ノーキャンドットコム」。私がお店の代理人として、無断でキャンセルした人に対しキャンセル料を請求するサービスです。まずお店に、事前に会員登録をしてもらう。その時に飲食店である証明を出してもらう。そして、残念ながら実際にドタキャンが発生したら、申し込みフォームから「いつ、何時、一人いくら、何人、電話番号、予約名」などの諸々を打ち込んでもらうとご依頼が来るので、こっちからキャンセル者に対して請求をかけていくという流れ。」

▼ノーキャンドットコム

飲食店の無断キャンセル対策はここまで進化していた!

先月立ち上がったばかりの「ノーキャンドットコム」は、無断キャンセルで発生した被害分を、弁護士が代行回収してくれるサービスです。
店側は会員登録は無料。無断キャンセルした人にショートメールで連絡を取り、被害分の返還を督促してくれ、被害額が回収できた場合は、手数料として3割引かれるシステムになっています。

なお、このサービスは数百円単位のキャンセル料でも依頼を受けてくれるので、お店としても気軽に申し込むことができます。

ちなみに、キャンセルした人にメールを送ると即座に振り込まれることが多いようで、「弁護士」の肩書を見ると「まずい!」という心理が働くのかもしれません。試験段階での回収率も8割超えと高く、これから効果が期待できそうです。

「キャンセルは迷惑」という認識を広めることが重要

無断キャンセル対策が強化される中、最後に今後の課題を北さんに伺いました。

◆弁護士 北 周士さん
「最終的にはこのサービスが知名度が上がっていくと、ドタキャンが減っていき、サービス自体縮小していくと思う。ドタキャンするとそこまでやられるんだって認識が広がると、いずれ数年でサービスがなくなっていくと思う。最終的にはサービスがなくなるのが目的。だから、全体の1割でも2割で、もこういうのに依頼してくれればと思っている。」

無断キャンセルをするとこんなに店側に迷惑がかかるんだという認識が足りていないので、まずは客側に理解してもらうことが重要、と仰っていました。

ただ、店側も泣き寝入りするのではなく、キャンセルポリシーをホームページに明記したり、被害にあった場合の対策を考えておかないといけない、ということでした。

▼田中ひとみが「現場にアタック」でリポートしました!

飲食店の無断キャンセル対策はここまで進化していた!

◆8月26日放送分より 番組名:「森本毅郎 スタンバイ!」内「現場にアタック」
◆http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20190826073327

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