TBSラジオ『要 潤のMagic Hour』毎週土曜17時から放送中!

5月6日(土) 放送後記

今月のゲストは、歌舞伎俳優 : 尾上松也さん。

最上階10階にある 『エグゼクティブ オーシャンビュー テラス スイート 1007号室』で東京湾を眺めながら、お話伺います。

要「ご無沙汰しております…覚えていますか?」

尾上「いつでしたっけ…?(笑)」

要「僕は はっきりと覚えてますよ!(笑)上地くんと焼肉を食べたんですよ、駒沢あたりのお店で。人数たくさん、いましたよね」

尾上「あー!いっぱい居ましたよね!?上地くんに2人で飯食おうよ、みたいな空気で誘われてお店に行ったら、とてつもない人数で(笑)あの時いらっしゃったんですね?」

要「僕も、上地くんと映画一緒にやってた時で、ご飯いこうって言われて店行ったら 、人がたくさん居て(笑)僕は 割と人見知りタイプなんで、喋る人がいないなぁと思っていたら松也くん目の前にいて、めちゃくちゃ盛り上げてくれて!!この人面白いなぁと思ったんですよ!?もう7、8年くらい前かなぁ。」

尾上「全然覚えてなくて…申し訳ないです(笑)」

尾上松也さんと、ハイアット リージェンシー 東京ベイで優雅な...の画像はこちら >>

尾上松也さんは、歌舞伎俳優としてはもちろん、テレビ・映画・舞台・ミュージカル・映画吹き替え・声優・歌手など幅広くご活躍されています。

昨年2022年だけでも、ドラマ『まったり赤胴鈴之助』では主演、『ミステリと言う勿れ』や『やんごとなき一族』、『親愛なる僕へ殺意をこめて』に立て続けに出演。さらに、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』では、後鳥羽上皇を演じられました。

要「歌舞伎の方って、朝から撮影してそのあと舞台とかあるじゃないですか。体力的には、大丈夫なんですか?」

尾上「めちゃくちゃキツイですね。

朝6時から、とかになっちゃうからどうしても機嫌悪くなっちゃって…何もしゃべらない時間が続きますね(笑)あと、ロケの撮影だと遠いこともあるので、結構 朝は機嫌悪くて...本当に申し訳ないんですけど、東京にこういうお店はなかったのか?!とか、考えちゃう時があります。」

要「わかります(笑)このオフィスのセットって、都内になかったかな?とかね(笑)」

尾上松也さんと、ハイアット リージェンシー 東京ベイで優雅な夕暮れ時を。

『歌舞伎をやめようと思ったことは、1度もない』

芸能一家に生まれた尾上松也さん。初舞台は、5歳。歌舞伎座で『伽羅先代萩』の鶴千代役を務めました。

初舞台の本番は緊張しなかったものの、先輩方に囲まれる稽古場の方が緊張していた、とのこと。

尾上「僕らの世代は、あまり人数が居なかったものですから、子役として重宝していただいて、定期的にいろんな先輩方からお声がけ頂けました。普通なら、そんなに頻繁には舞台に立てないものですけど。」

要「楽しかったですか?」

尾上「楽しかったですね!舞台に立つのも好きでしたし、あとは、おもちゃなど、お客様からご褒美としていただくこともありましたから。それはモチベーションが上がりましたね。」

要「歌舞伎俳優として自覚を持ったのはいつ頃ですか?」

尾上「今でもよくわかんないかもしれないです。

父も母も舞台をやってるので、当たり前すぎて、辞めようとか思ったことは1度もなかったです。歌舞伎俳優が特殊な職業だと気がついたのは、20歳を過ぎてからだと思います。ただ、中学3年間は、多くの方がそうなんですけど、歌舞伎から離れるんです。声変わりの時期だし、年代的にも役がないので。僕も歌舞伎から離れて、歌舞伎よりも演劇自体や映画に興味が湧いたので、海外で演劇の勉強をしたいとも思っていましたし、父に話したこともあります。でも、高校で復帰のお話をいただいてからは、歌舞伎をこのままやりたいと思うようになりましたね。」

高校時代の同級生・上級生には、生田斗真さん、城田優さん、松本潤さん、中川七之助さんなど、第一線で活躍を続ける役者さんたちが勢揃い!

そういう仲間の中で学生生活を送ったことで 刺激を受け、バイタリティを保てた、と学生時代を振り返りました。

尾上松也さんと、ハイアット リージェンシー 東京ベイで優雅な夕暮れ時を。

蜷川幸雄さんへの感謝!演技の殻を破った瞬間は…

ご自身で感じる、俳優としてのターニングポイントは、27歳。

まだメデイアで活躍する前、蜷川幸雄さん演出の舞台『ボクの四谷怪談』 に抜擢された時でした。

尾上「自分の中では、30才になるまでに俳優としてチャンスを掴めなかったら、全てを辞めようと思っていまして。そんな中で、27歳の時に、ヒロインに抜擢していただいたので、命懸けでやらなくてはと思って、出演しました。それがきっかけで、色々変わりました。」

要「歌もあった舞台ですよね?」

尾上「そうなんです。20代の時には、ミュージカルのオーディションとかも受けて、ことごとく落ちていたんですけど。

自分の中では、名家ではない家柄ですから、歌舞伎以外のジャンルで注目を受けて自分の価値を上げていかないと、歌舞伎界でポジションを掴むとかは不可能だと悟っていましたので…なんとかして役者としての価値をあげようと考えていましたね。」

要「当時、蜷川幸雄さんから言われて、心に残っている言葉とかありますか?」

尾上「言葉ではなく、引き出してもらったという感覚があるのは…お芝居では、ずっと女形として芝居をして歌っていたんですけど最後の最後に、金髪短髪で、タンクトップジーパンという男の姿になってソロで歌って出演者を呼び込むというシーンがあったんです。そのシーンは、ずーっと蜷川さんに『ダメだ違う』と言われ続けていてものすごく悩んでいたんです。結構精神的にも追い込まれていたので、初日前日に開き直って叫ぶように、何もかも開放して思うがままにやってみたら、手を叩いて喜んでくださったんです。僕も興奮していて、その時どう演じたのか、よく覚えてないんですけど。初めて舞台の上で、自分の殻を破って、壁をなくして、自分を出せた気がして。これを待っていてくださったとその時に気がついて、そこから、芝居が変わりましたね。

恐れも恥ずかしさも無くなりました。今でも感謝しています。」

尾上松也さんと、ハイアット リージェンシー 東京ベイで優雅な夕暮れ時を。

OA楽曲
If You're Too Shy (Let Me Know) / The 1975