TBSラジオ『パンサー向井の#ふらっと』毎週月曜日~木曜日 朝8時30分から放送中!

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8日23日(水)10時からは『ふらっと向井くんち』!スタジオを『向井さんの家』に見立てて、お隣の三田寛子さんと“お客様”をお迎えし、お土産話を伺います!

本日のお客様は、タレントのクリス松村さん!

アイドル歌謡に詳しいクリスさんをお迎えして、三田さんをはじめ“82年組”を中心に話を聞く!

三田寛子が「花の82年組」を、クリス松村と語る!

向井:実際にお仕事とかでお会いすることは?

三田:何度かお仕事をさせていただいたりクリスさんがラジオとかやってらっしゃるのを聞くとね、もう私よりも詳しくって。「そんなことがあったの?」「82年こうだったの?」っていって。もう神様のような方ですよね。

クリス:いやいや、でも逆に今日は、私が知らない現場の三田さんの。

向井:当事者のね。

クリス:だって私達はテレビから観るとか、ラジオから聴くとか、雑誌から見ることしか知らないじゃない?三田さんは例えばあの82年組だと、もう強烈なあの新人賞争いの舞台裏。

三田:本当350とか380人ぐらいいて、順番にねワンコーラス歌って、次々、っていうそういうオーディションみたいなのが必ず各テレビ局、ラジオ局あって、それに受からないと、その局では歌わせていただいたりできないんです。

クリス:すごい。もういきなりディープな話になったんだけど!

向井:過去に「ふらっと向井くんち」に小泉今日子さんがゲストに来ていただいたんですよ。

クリス:キョンキョン!三田さんとデビューの日が同じ。82年3月21日!

向井:そのときに2人のお話を聞くと熾烈な争いっていうよりは、皆さんそれぞれ「私はこれができる」とかっていうのであんまりバチバチじゃなかった、みたいなお話で。

三田:個性がそれぞれあって、みんなもうまだ若いから一生懸命なわけ。自分のことでそんな余裕もないし、とにかく相手をリスペクトしてみんなこんなに眠れない中、毎日忙しいスケジュールこなしながら、こんなに頑張ってるんだ。わー、すごい私も頑張ろう、ってみんなでこう同士みたいな感じで。励まし合ってたっていう感じなんです。

クリス:そういう空気感っていうのはやっぱ80年代に生まれてきた空気感だと思うんだけど、バラエティー番組が変わってきたのよね。漫才ブームっていうのがあって『ヤンヤン歌うスタジオ』というのが77年から始まるんだけど、もう終わった番組ですけどね。ああいうところで、新人同士が仲良くなったり、ミニドラマに出たり。いろんな。

三田:そうなの。あのねのねさんが司会をやってくださって。

向井:令和の番組とは思えないお名前がどんどん出てきますけど。コントをやったり、自分の歌を歌ったり、いっぱいスケジュールが1日もうぎゅうぎゅう詰めの中で、テレ東行ったら誰々ちゃんに会った、とか。今度TBS行ったら誰々くんに会った、とか。本当にその現場が、芸能界が学校みたいな感じだった。

クリス:82年のことを、今ね三田さん話されてんだけど、82年は本当に他のどの年と比べることもできないぐらい”ソロアイドル”ね。ここやっぱり今の時代だからあえて言わなきゃいけない。

ソロアイドルの争いがすごかった。

向井:僕は1985年生まれなので。

クリス:えー!?

三田:信じられない!

向井:なので僕は知らないんですよ。そこをたっぷり今回教えていただこうということでクリスさんに来ていただいた、というところなんですけど。

82年組を語る前に・・・「松田聖子さんになくして82年組はない」

向井:82年組の曲を中心に今回10曲選んでいただいた、ということなんですけど。

クリス:でもね、最初にね82年組もあるんだけど、やっぱり松田聖子さんなくして、82年組はない。三田さんもオーディションのときに「青い珊瑚礁」を歌った、って。それを今の季節だし聴きたいかな。「青い珊瑚礁」ってね、8月も9月も大ヒットしてるの。

向井:やっぱりこの曲は後の皆さんにとってもかなり大きい?

クリス:それはなんでか、って言ったら、ちょっと難しい話になったらごめんなさい。やっぱり百恵さんとかいろんな人の名前も出ましたけど、78年にキャンディーズさんが解散するんですよ。そして南沙織さんも引退するんです。男性でいうとフォーリーブスさんも解散するんです。

そしてその後に百恵さんが今、引退っていう話があった。そしてピンク・レディーさんも解散を80年に宣言して、81年の3月31日に解散するんだけど、いわゆる70年代を背負ってきたアイドルたちがいなくなっていくっていうのと、79年はぽっかり。アイドルとしては榊原郁恵さんとか、大場久美子さん、石野真子さんっていう、すごい大アイドルがいるんだけど歌とリンクしたっていうのかな、そういうアイドルがポカッと空いて、なぜかアイドル扱いの新人賞のレースに並ぶのが、竹内まりやさんだったり杏里さんだったりするわけですよ。アイドルじゃないんですよ。だから倉田まり子さんという方が79年はいるんだけど、アイドルとしては。まりやさん、杏里さんが象徴的なんだけど、確かに高校生とか、まりやさんも大学生とか、そういう雰囲気はあったかもしれないけど、本当のアイドルって言っていいのかな。いなかったんです。その時代は。それが爆発し始めたのが松田聖子さんのデビューからなんだけど、これも難しい。布石があるんですよ。

向井:なんですか?

クリス:77年の暮れから、男性で言えば原田真司さんとかツイストさんとかCharさんとか、ああいう方達。サザンさんはその後なんだけど、いわゆるニューミュージック、いわゆる歌謡曲がどんどん変わっていくんですよ。

それまではド歌謡曲と、アイドルと、っていう歌謡曲。ヒットチャートの世界が、どんどん何かニューミュージック。フォークでもない人たちが出てくる。この人たちがデビューしてくることによって、若い人たちもただのアイドルを応援するんではなくて、アイドルの代わりにもなるんです。

向井:はー!クリス:かわいい、かっこいい、歌も演奏も自分で、歌も作れる、っていう。転換期が実はここにあるんですよ。それでみんないろいろあって80年代を迎えて、だから松田聖子さんなんて歌詞の世界が違う「あゝ私の恋は南の風に乗って」って。70年代なんて暗いんだから。歌が。

向井:そうなんですか?歌詞の世界観もちょっと違うんだ。

クリス:そうよ!「私あなたがいなければもう死にます」とかね。「私はあなたがいなきゃ生きていけません」とかね。

三田さんも何となくピンときますよね。もっと暗い。

向井:重めの感じの歌詞の?

クリス:重めの感じ。みんなすごく良い歌ですよ。でも女の子が自分から、自分で自分を主張するっていうのが80年代から、松田聖子さんがいなければ扉が開かなかった。

向井:なるほど!そこから花の82年に繋がっていくということですね。

三田寛子が「花の82年組」を、クリス松村と語る!

当時アイドルの衣装が制服なのは珍しかった!?

クリス:三田さんのデビュー曲『駈けてきた処女』のこのジャケットは完璧です。

向井:確かに可愛いですね。

三田:お化粧もしないでね。

クリス:お化粧してない!?

三田:上京してきてすぐ。

クリス:これ珍しいんですよ。何が珍しいかってこれ、制服じゃないですか。制服のジャケットって、伊藤つかささんはあったんですけど、超珍しいです。

向井:そうなんですか。

クリス:アイドルで制服のジャケットってありそうで、ないです。

向井:へー!

クリス:でも三田さんってずっとあれですよね、制服的な。『駈けてきた処女』のときなんかは、白いブラウスに紺のスカートに、大きな紺のリボン。割と制服風の。

三田:割と制服。父が厳しくって普段の洋服もカチっと制服みたいなのとか。パンタロンスーツとか。そういうのが多かったんですよ。

クリス:お父さんね、結構厳しかったから。

向井:いや、お父さんの情報まで!?

一同:(笑)

向井:三田さんから聞くのはわかりますけど。

クリス:今、お父様って出たからね。でも上京の前とかね、新幹線のホームで”三つの約束”っていうんで。「不平不満言わない」。

一同:(笑)

向井:ちょっとクリスさん!それどこでインプットした情報なんですか?

クリス:全部何となくそのときに覚えてる。

向井:雑誌とか読んだり、インタビューとかが入ってるってことですか。

クリス:だからちゃんと条件があるっていうかね。

三田:いやん(笑)

向井:これ三田さん間違いない?

三田:詳しいね。クリスさん、さすが。

当時のアイドル移動事情。衣装ケースもメイク道具も学校のカバンも持って全国に移動。

三田:1日にもう何十本と仕事が入って、もう駆けずり回ってたときだったんで。

向井:82年組の皆さんもそんな感じで。

クリス:まだ交通の便だって、そんなに今みたいに便利じゃないですよね。

向井:すぐ移動できてってわけでもない。

クリス:東北新幹線だって何だって出来てないんだもん。

三田:みんなアイドルはね、ファンの方がお手製で大体キルティングとかで衣装ケース作ってくださるんです。それで荷物は自分たちで持たなきゃいけないから、こっちに衣装ケース、スーツケース持って、こっちにメイクのバックを持って、私は学校も行ってたから、当時スマホとか、電子辞書もないから、学校の教科書とか辞書も全部持ってものすごい重かった。アイロンまで持って歩いてた。

向井:そういうのってマネージャーさんが、とかっていうのはないんですね?

三田:もう新人なんて、マネージャーさんは3歩後ろ歩いてましたからね。で、みんなで楽屋使うじゃないですか。「ファンデーション切れちゃった、なくなっちゃった」って。当時明菜ちゃんとよくお喋りしてて、「明菜、ごめん、貸して、ファンデーション」って言ったら貸してくれたんだけど、明菜は地が白くて、色白なので、私、地黒だったから明菜ちゃんのファンデーションだと真っ白になっちゃって、お面みたいになって。やだー。って。

クリス:でも優しい明菜ちゃん。

三田:みんなで借りあいっことかして学校みたいに。

三田寛子が「花の82年組」を、クリス松村と語る!

『恋するメトロ』の弾けた衣装は三田さんの意向だった?やらされてた?

向井:曲調が変わっていくのとかっていうのは、ご本人の意向とか、例えば事務所がこの子をこうやって売っていきたい、とかっていうのって?

クリス:意向なんてないですよね。

三田:私なんかは2年目。ようやく次の年に「もしも歌わせていただけるなら・・・」みたいな感じのことはちらっとは。

向井:ちょっとずつやりたい事を。

クリス:『ひとりぽっちの卒業式』とか?

三田:私は村下耕三さんがレコード会社が一緒で。

クリス:『初恋』!大ヒットしました、カバーですね。

三田:すごく好きだったので歌わせていただきたいっていう思いが何となくじわじわっと何となくこう告げてたら。

クリス:『駈けてきた処女』も『夏の雫』も大ヒットしますけど、実は『初恋』もね、大ヒットしてて、ということはちょっとあえてお伺いしたいんですけど。

三田:1年目は何もやっぱ言えない。

クリス:さっき憧れが石川秀美さんのホットパンツに『テレビの国からキラキラ』の松本伊代さんのああいう曲を歌いたいとおっしゃってた。じゃあこれがそういうことですか?

三田:もう~!!!これ頑張ったんですよ!

向井:何かを出していただきましたけど、クリスさんこれは何でしょうか?

三田:こちらタケカワユキヒデさんに作っていただきました。『恋するメトロ』で、私もちょっと弾けたい、って。

向井:ジャケットを見ると肩を出して、かなり弾けたジャケットですね。

三田:ヘアメイクさんも藤谷美和子さんをやってらっしゃったすごい上手なアーティストの方に「私じゃない私を作ってほしい」って言って、レコードジャケットを。

クリス:私はやらされたと思ってたけど。だってこの裏なんて悪意を感じますよ。

向井:強めのメイクで何かシャウトしてるような写真が。(笑)

三田:スタイリングも堀切ミロさんってもう本当に私じゃない何かを出してほしい、って事を。

クリス:今、はっきりしてよかったです。私は三田さんかわいそう、って。

向井:やらされてたんだ、って。クリス:いや、やらされたと思いますよね。

三田:でもね、クリスさん、B面の『20歳の前で』は小椋佳さんなんです。そこのコントラストも楽しもう、って。だからこの頃にはプロデューサーの方と自分がいろいろ話が出来る、コンセプトを考えたりっていうことが。だんだん出来るようになってきていて。

三田寛子が「花の82年組」を、クリス松村と語る!
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