TBSラジオ『パンサー向井の#ふらっと』毎週月曜日~木曜日 朝8時30分から放送中!
スタジオを『向井さんの家』に見立てて、お隣の三田寛子さんと“お客様”をお迎えし、お土産話を伺います! 本日のお客様は、アーティスティックスイミング選手の小谷実可子さんと藤丸真世さん!
小谷実可子と三田寛子さんはママ友!?
向井:ブースに入ってくるなり、三田さんと小谷さんが。なんか繋がりがあるんですって?
三田:実はね、私の三男・歌之助が小谷さんのご長女ちゃまと、幼稚園、プリスクールとインターナショナルスクールでご一緒だったんですよ。
小谷:ママ友ね。
三田:そう!ママ友で、毎日私なんかがすっぴんでサンダル履いて走って「先生!」なんて言ってたときに、もう存在感があって!
小谷:またまた。
三田:「小谷さんだー!」って私はミーハー根性でお話をしてしまったら、ご主人様も実可子さんも素敵で。でもやっぱり子育てとか色々あって、それ以来お会いするチャンスがなかったんで、もう本当十何年振り。三男は21歳になってるから・・・17~8年前?
小谷:わお。
三田:襲名のときでもお花とかいただいて会いたい、と思ってて。でも昔は携帯がないから連絡がなかなか取れなくてね。
向井:PTAみたいな感じですね、今。放送とは思えないような会話が(笑)
金メダルと銀メダル、合計4つがスタジオ内に!
向井:お2人はですね、先月、鹿児島市で開催された世界マスターズ水泳選手権2023九州大会のアーティスティックスイミングに出場されまして、お2人はデュエットで金メダル。そして小谷さんはソロ、チームの方でも銀メダルを。おめでとうございます。
小谷:ありがとうございます。出しちゃう?出しちゃう?出しちゃう?
向井:現物を。
三田:すごい!初めてみた!キンキラキン!
向井:今、ブースにメダルが。
三田:ずっしりきます。すごい。
向井:ブースに今、4つ金メダルが。
三田:どうしましょう。こんな貴重なものを生で見せていただいてちょっと手が震えちゃいます。
向井:ありがとうございます。
小谷:いえいえ。アスリートとして呼んでいただいて嬉しいです。
2人がペアを組むまでは紆余曲折!

三田:藤丸さんからご覧になると、私達でもドキドキするのに、あの小谷実可子さんと大先輩と。っていかがでした?
小谷:私が小学生の頃の憧れの先輩ですから、その方に「泳がない?」って言われた瞬間にはわくわくと「いや無理でしょう」という「今の生活じゃ無理でしょう」っていう思いが両方あったので。
三田:それまでに一緒に泳いだりとかは?
藤丸:きっかけですよね。
小谷:イベントとかでね何度かちょろっとはね。
藤丸:最初に実可子さんに「ちょっと一緒に泳がない?」って言っていただいたのがきっかけなんですけど、そのときは「やったー!」みたいな感じで泳ぎに行ってたんですけど、なんかどこかで私を舞台に立たせてあげたい、って想いを、持ってくださって。
小谷:なんか悶々としてたんですよ。イベントで時々ちょっと泳いだりして、終わるとまた解散してまたちょこっと泳ぐと、本当に楽しそうに嬉しそうに泳いでたので、もっと彼女は泳ぎたいだろうな、ってのはずっと頭の中にあったんですね。で、今回このマスターズが日本で自国で開催ということで、出て盛り上げたいなと思って私は早くから挑戦を決めてたんですけど、チームで、彼女は練習が限られているので時々練習に来てるときに、チームの中で2人のパートをやると、1回でぱっと合ったりとか。
三田:以心伝心みたいな組み合わせが。
藤丸:そうなんですよ。背とかも体重とかも、なんか体型が似てるんです。色の黒さとかも。
一同:(笑)
藤丸:似ていて、ビデオ見ると「あれ?意外と合ってますね?」みたいな。そんな感じだったんですね。
小谷:そうそう。それでこんな合うんだったら「ちょっと練習すればデュエットできちゃうかもね。」っていう軽い気持ちで声をかけたんです。
向井:それはどれぐらい前ですか?
藤丸:それが昨年の12月ですね。
三田:そんな近々なんですか?
向井:去年の12月にそのお話になって。
小谷:でも断られたの。
向井:最初は?
小谷:言われたんです。「私OLですから」って。「平日練習出来ないし」って。
三田:恐れ多いし、なかなかその頑張ろうと思ってもね。
藤丸:あと会社員なので、やっぱ練習時間が取れないし、あと子供もそのとき小学生だったんですけど、まだちょっと時間取れないし、実可子さんも相当忙しくてしょっちゅう海外に行かれるんですよ。
向井:スポーツ関係のいろんな組織の役職にももう10つ以上やってらっしゃるんですね。
小谷:そうですね。色々なお手伝いですね。
向井:色んな会合とか、リモートの会議等がたくさんあるわけですよね。
小谷:もう練習の帰りに寄ったスーパーの駐車場で1回止まって、車の中で会議に入ったりとか。
向井:藤丸さん的には、さすがに子育て・仕事で当たり前にいっぱいいっぱいじゃないですか。そこから、「やってみます」ってなったのは何だったんですか?
藤丸:やっぱり憧れの小谷さんと組めるなんて、この先一生ないんじゃないかっていう思いが一番強かったですね。なのと日本開催のマスターズ。"っていうことですかね。それだけですね。だから時間はどこかで作らなきゃって思いで。
“現役”と言われるのが嬉しい。

向井:お2人は現役に戻ってきて。
藤丸:嬉しいなあ。その響き。
向井:やっぱり現役って嬉しいもんですか?
藤丸:もう一回言って(笑)
向井:でも戻ってきてしまう。
小谷:そうね。
藤丸:やっぱり生きがいだし。やりがいがある中で、試合に向かってると周りの人がすごい応援してくださるんですよね。「頑張れ」とか「自分も頑張る」とか、って。そういう周りの変化がなお「アスリートってやっぱりいいな」「これがスポーツの力なんだな」っていうことを感じるので。
小谷:インタビューとかで紹介に「アーティスティックスイミング選手」とか書いてもらっちゃうと、俄然アドレナリンが(笑)
向井:グっと上がるものがあるんですね。
小谷実可子さんがゾーンに入ったのは人生で2回。
向井:スポーツ選手って”ゾーン”みたいな。現役でやってる頃に入る瞬間があるっていうじゃないですか。それもあるんですか?
小谷:ありましたね。前のオリンピックに向けての15年間の競技生活の中では、2回だけだったんですけど。
向井:2回なんですか。
小谷:本当に特別で、それはオリンピックとか世界選手権とか大きい舞台ではなくって、なんかちょっとリラックスして臨めるような大会なんですけど、最初のポーズを取っただけで、見てる人の観客のエネルギーがバーッと自分に降ってくる。
三田:観客の皆さんと一体化するみたいな世界ができちゃう?
小谷:観客もそうだし、泳いでる水もそうだし、その上の空も、全部が一体となって。泳いでも泳いでも苦しくない。
三田:もう神がかってる、っていうか。
向井:へー!自分でわかるんですね。これがゾーンだ!って。
小谷:もう幸せで幸せでしょうがなくて、もう点数とか順位とか関係ない。そこで生きてシンクロしてることがとにかくありがたくて「ありがとう!」は止まってポーズをとったら10点満点!入賞!みたいなことが2回あったんです。
向井:2回なんだ、でも。
小谷:ありません?お笑いの世界でも。
藤丸:ありそう。
小谷:自然と笑いが巻き起こる、生まれるみたいな。
向井:でもゾーンとまでは言わないですけど、やっぱり良いときって、お客さんの反応が逆に気にならないときだったりする、というか。没入している感じの瞬間もありますね。
藤丸:そうですよね。きっと3人それぞれのキャラがあるじゃないですか。パンサーさんだと。だからもう逆に言うと、多分観客もぐっと引き込まれてるんだと思います。
向井:それって入ろうと思って入れるもんじゃないんですよね。
小谷:そこなんですよ。そうなの。入りたいと思って入れないんですけど。F1レーサーの人は入れるんです、って。
向井:ゾーンに入るぞ、っていうスイッチが。
小谷:そうじゃないと「自分たちといつも死と隣り合わせだから入らないと怖くてやってらんない」っていう話を聞いたことがあります。
三田:私も演技してたときに、役と自分がスッて一体化して、そこに生きてるものが1つ出来るんです。全然違う自分が。そのときはすごく気持ちがいい。でもそれって本当に何年も役者の人生やってても、2回か3回。
向井:やっぱり少ないって事ですよね。
三田:神様からのプレゼントだと思ってたけど、レーサーの方だと自分から入れるんだ。
憧れの先輩とのペアは気を遣う?

向井:藤丸さんからしたら小谷さんって、先輩で、子供の頃見ているメダリストなわけじゃないですか。
藤丸:本当そうです。憧れの。
向井:その人と一緒にやるってなったときに、その人に自分から「ここをこうしてください」とかって言うのも最初難しくないですか?
藤丸:もちろんです。だって大先輩に言えないですよ。最初はちょっとやっぱり実可子さんにここまで言っていいかな?っていうのはすごい考えましたけど、すごく受け入れてくれるというか、全部話をちゃんと1回聞いてくれたりするのと、あとは何も私に対して"言い返さない、って言ったら変なんですけど、全部受け入れてくれます。
小谷:最初気を遣ってるのわかったんですけどそれじゃ良いペアになれない。「年齢とかそういうの関係なく、ペアを組んだら同等の選手だからって何でも言ってね」って言ったらもう後半怖い怖い。
一同:(笑)
向井:壁が崩れたんですね。一気に。
小谷:「ここちょっとやめない?」とか「ちょっとここ抜かない?」って言ったら「駄目です実可子さん!」って。
藤丸:実可子さんは弱音を吐く人じゃないんです。だけどちょっといっぱいいっぱいになってるときがあって。
小谷:三種目出場ですから、私。
藤丸:三種目やられてたんで「そこでやっぱ妥協しちゃいかん」と思ってここからは妥協しない、って自分も決めたんで、実可子さんが「ここの振りを抜きたい」って言われたんですけど「いや頑張りましょう」って。
小谷:心の中では「真世ちゃん、私がソロとチームの練習してる時休んでるじゃん」って。
一同:(笑)
向井:思ってるわけですよね。
小谷:思うときもあったんですけど、でもそこで変な気を遣わずに「だめです!やりましょう!」って言ってくれることで「デュエットはデュエットで100%で臨まなきゃ」って強い自分になれたので。アスリートでいてくれてよかったなと思います。