TBSラジオ『パンサー向井の#ふらっと』毎週月曜日~木曜日 朝8時30分から放送中!
9月21日(木)は、パンサー・向井慧と髙橋ひかるでお届け。9時台の『ふらっとトピック』は ミュージシャンの藤巻亮太さんをゲストにお迎えしました!
劣等感の塊だった頃、自分の弱音が音楽になった時にポジティブに変換された
向井:藤巻さんが一番最初に曲を作ったのはおいくつだったんですか?
藤巻:中学校でギターを買ったんですけど、プロになりたいとかは思わなくてですね…大学に入りまして、19歳の頃に曲を作り始めたんですけどそこは結構ターニングポイントでして。何をやっても長続きしない学生と言いましょうか…いろんなものやっても飽きてしまうのか、根気が続かないのか…。
向井:例えばどういうことを?
藤巻:いっぱいありましたよ。野球、サッカー、水泳、器械体操…ブラバンやったり写真部に入ってみたりとか、なんかやっても続かなくて。
髙橋:幅広い!
藤巻:で、大学受験も行きたい学部があったんだけど入れず違う学部に行って。浪人する勇気もなくて。
向井:割と、挫折というか、いろんなものがうまくいかないという?
藤巻:そうなんですよね。やっぱり1つのも頑張ってる人って輝いてるじゃないですか。そうした人たちと自分を比べて。だから割と劣等感の塊みたいな時期だったんです。
向井・髙橋:そうだったんですか!
藤巻:そんなときに曲を曲作ったらなんか雷に撃たれるような感じがしまして。これだ!って。何もないところから何かが生まれて、何げないんだけど歌詞も書いたら、なんか…その当時はそこまで分析できなかったんですけど、今大人になってから振り返ると、音楽って肯定する力があるじゃないですか。

向井:うんうん。
藤巻:「そんなときもあるよね」とか「そんなこともあるよね」って。劣等感があるときも、「それも人間だよね」みたいな…どれだけそうやって自分の弱音を吐いたとしてもそれが音楽になったときには「そういうこともあるよね」っていうポジティブなものに変換されるんで。
向井:あぁ~。
藤巻:劣等感みたいなネガティブな自分の中にちょっと刃のように刺さっていくような思いが、外向きの音符とか言葉に変わってすごいポジティブなものに変換されていったら、自分自身がたぶん癒されていって、自分自身がすごい音楽の魅力にもとりつかれていって。そこからもう毎日曲を作るのが楽しくて。
向井・髙橋:へえ~!
藤巻:レミオロメンの同級生のベースの啓介は元々プロになってたんで、彼に相談して、「もう音楽が好きすぎて…一緒にやらないか」って言ってそこからバンドを組んでっていうことで始めて。
髙橋:すごい行動力!

曲作りは、新たな出会いで感じる揺れ幅の中にある気付きを大切に。
向井:自分自身も曲を作ることで肯定されたってことなんですかね。
藤巻:そうだと思うんです。悩んでるときって特に若いときもそうだけど、何に悩んでるかわかんない。言語化できないじゃないですか。
髙橋:わかる。
藤巻:言語化できない何かがメロディになったりとか…歌詞ってそんな意味がなくてもなんかこう…持ってたりとかするじゃないですか。うまく言葉にできないようなモヤモヤしたものが音楽を通して消化されていくっていうか。
向井:そのときの曲作るモチベーションと今現在曲作るときのモチベーションってやっぱり変わってますか。
藤巻:変わってる部分もありますし…自分っていう人間とか生きてるってこととか社会とか、探求し尽くしてるわけじゃないので、やっぱり何か発見があると嬉しいなって思うし、その気持ちは19歳だった頃と変わらないんですけど…。でもこれって、どなたでもあると思うんすけど経験値が上がってくると、経験値の中に出てきちゃうことがあると新鮮味がなくなるじゃないですか。
向井:どんどん経験したことになってくるし、それだけで何となく生活できるようになってしまう、良くも悪くも。
藤巻:そこでやっぱりその枠を超えたいっていうモチベーションが今すごくありますし、特にレミオロメンからソロになって、そこの部分がすごく苦しい部分があって。
向井:あぁ~そうなんですか。
藤巻:なので、今日もそうですけど向井さんや髙橋さんとお会いしたりとか、お話聞いたりとか顔見て、何かを感じるじゃないですか。感じた自分が何かこう揺さぶられるわけですよね。自分の感覚と感性とか。
髙橋:出会いとかを大事にされてるんですね。
藤巻:そういうのをすぐ忘れないで、その揺れ幅の中にあるものを気づきみたいなものをね。
向井:キャッチしていって。
藤巻:そう、したいなって。出会いを大事にしたいなってすごい思いながら曲を作ってますね。

レミオロメンの時もソロになっても、歌詞やメロディーの源泉は地元・山梨から
向井:藤巻さんが主催する野外フェス『Mt.FUJIMAKI』を立ち上げるっていうのも、大きなスタートですよね。
藤巻:大きかったですね。ソロになって自分のバンドの頃とは違うアイデンティティを見つけるのはすごく大変で。何作ったらいいんだろうって悩んでた時期もあったんですけど、前に進めないので自分のルーツに戻ってみようと思ったときに、山梨、地元だ!って腑に落ちたときがありまして。
髙橋:なるほど~。
藤巻:元々レミオロメンのときからソロになっても、歌詞になる要素であったりとかメロディーの源泉だったりとか山梨からいろいろいただいてたんだなって思ったときに、やっぱり山梨大好きだし音楽で自分ができることをしたいなと思いまして、2018年から野外音楽フェスをやらせていただいております。
向井:フェスを立ち上げるときにテーマとかコンセプトっていうものは作ったんですか?
藤巻:山梨って東京も近いですから、山梨でライブされる方が結構少なかったりするんですね。
向井:そうですよね~。
藤巻:この山梨の感じを味わってもらいたい、素晴らしい音楽を音聞きながら。県外の方に音楽体験、山梨を体験していただいて、また山梨に行ってみようかなって思ってもらえたら嬉しいなって思って。そのテーマ2つは未だに変わらないですね。

藤巻亮太 主催の音楽野外フェス『Mt.FUJIMAKI』で山梨のおいしさも。
髙橋:地元の方の反響とかいかがですか。
藤巻:今年で6年なんですけど、だんだんと「今年も頑張ってるね」とか「行ったよ」とか言ってくださるようになって、応援してくださる方が増えたなっていう感覚はありますね。
髙橋:嬉しいですもんね、地元でフェスとか、活躍されてるアーティストさんが帰ってきてくださるのって。
向井:ひかるちゃんの地元、滋賀で言ったら西川さんがイナズマロックフェスってね。
藤巻:そうですよね。
髙橋:やっぱりもうめちゃくちゃ嬉しいし、お祭りですもん!
藤巻:お祭りになったら嬉しいなと思いますし、フェスでも山梨の野菜とかじのものを召し上がっていただきたいなということでワカサギの天ぷらだったりとかフードコートで食べられたりとか。
向井:食べられるんですか!
藤巻:ジビエの鹿とか、山梨は鳥モツが有名だったりとか、フルーツが有名なんですよね山梨は。桃、ぶどうとか。ブドウといえばワインで、飲める方はワインなんかも召し上がっていただけるといいなって。
向井:地元の企業の方とか飲食店の方との繋がりの中でできてるって部分もあるんですね。
藤巻:そうなんです。いろいろとコラボレーションさせていただいたりとか。地元のはくばくさんとかヴァンフォーレ甲府さんっていうサッカーチームとコラボレーションのフジマキーマカレーなんて言って作らしていただいたり(笑)。そこにのってるソーセージは山梨のお肉でできてたりとか。いろんなコラボがあります。

10時台には『粉雪』をスタジオ生ライブで披露してくれました!
