フタを開けてみれば、意外な結果だった。



林家木久扇が番組を卒業

「『笑点』(日本テレビ系)に55年の歴代最長出演を果たした林家木久扇(86)が、先月末で番組を卒業。

その後任が注目されていましたが、4月7日の放送で立川晴の輔(51)と発表されました」(夕刊紙記者)



 この新メンバーの名前に、驚きの声が上がっている。



「晴の輔が所属する落語立川流の創設者は、故・立川談志。そもそも『笑点』は、談志の発案で1966年に始まった番組で、初代司会も務めています」(前同)



 しかし、番組の方向性の違いから、69年には他のメンバー5人が降板する騒動に。その後、談志も衆院選出馬のため、同年11月に番組とたもとを分かった。



「以降、立川流からの『笑点』出演者は55年にわたって途絶えていましたからね」(同)



三遊亭円楽の代役として出演

 その流れを変えたのが、晴の輔だったという。



「2013年からスピンオフ番組である『笑点 特大号』(BS日テレ)の大喜利メンバーとして活躍。

19年9月には、病気療養中だった六代目三遊亭円楽さん(故人)の代役として『笑点』に出演し、冒頭で“落語立川流という暗黒集団から、やってまいりました”と言って笑いを取りました」(同)



“暗黒集団”の“家元”である談志といえば、「落語の最中に客席から飛んだ野次に怒って、“おしまい!”と言い捨てて、高座を降りたことも。また、11年に喉頭がんで亡くなる直前には、死の床に集めた弟子たちに、筆談で遺言を残したんですが、それが、なんと“お○んこ”だったとか」(スポーツ紙記者)




落語界でも“異端”

 そんな談志が立ち上げた立川流だけに、落語界でも“異端”とされてきた。



「弟子たちは、東京都内に4か所ある落語の定席に出演できません。



 そのため、定番と言える寄席での修業を経験できず、自ら落語会を企画して客を集める苦労を強いられました」(前同)



大喜利を面白くするために

 一部には番組と立川流の和解を果たす“架け橋”として選ばれたという見方もあるが、江戸川大学教授(お笑い論)の西条昇氏は、こう言う。



「出演者がどの団体に所属するか、視聴者にはあまり関係ないことです。



 そうした政治的な配慮より、誰を入れたら大喜利が面白くなるかを考えて、選ばれたと見るべきでしょう」



立川志の輔に弟子入り

 また、晴の輔は、問題児だった談志とは違って、優等生キャラだという。



「東京農大卒のインテリで、学生時代に聞いた立川志の輔(70)の落語に感銘を受けて弟子入り。



 師匠と同じく、実直で誠実な人柄で、古典落語を、きっちり演じるところが評価されています」(前同)




桂宮治や春風亭一之輔と比べて

 近頃の新メンバーでは、桂宮治(47)のようにバカバカしいことを言って笑わせるタイプでもなく、春風亭一之輔(46)のような腹黒さもない。個性の際立つ笑点メンバーの中で、埋没しないか気になるが、



「『笑点 特大号』で10年にわたって出演してきた実績を買われたのだから、大丈夫でしょう」



日曜夕方のお茶の間に笑いを

「今までになかったキャラであることは確かですし、他のメンバーが、晴の輔の優等生ぶりをどうイジっていくのか、楽しみですね」(同)



 初代司会の“孫弟子”が、日曜夕方のお茶の間に、どんな笑いを届けるか注目だ。