米ロサンゼルスの名門大学として世界的に知られるUCLA(ジーン・ブロック学長)。2017年にもこの大学に“UCLA付属ゲフィン・アカデミー(Geffen Academy at UCLA)”と呼ばれる付属中・高等部(6年生~12年生)が開設される予定だ。まずは節目となる中学進級者と高校進級者をあわせて125名募集し、生徒数はいずれ600名を超えるものと予想している。校舎はメインキャンパスの南にある「キンロス・ビル」という大学院生用のスポーツ施設を改築して当面は使用することになるが、生徒数の増加によってその隣の広大な駐車場に新校舎を建設することも検討しているという。
生徒の半数はロサンゼルス一帯から広く募集し、寄付金のうち約30億円はそうした中で経済的に援助が必要な生徒を対象にした奨学金に回されるが、特筆すべきは生徒の半数をUCLAの教員の子息令嬢で固めるということ。
こうしたことが可能になったのは、かねてからこの大学や付属病院、各種研究施設に多額の寄付を続けてきたデヴィッド・ゲフィン氏(72)から、先月中旬に1億ドル(日本円にして約121億円)の寄付金があったためだ。「優秀な学生、教員を求めているUCLAのためにきっと役立つことでしょう。奨学金制度も設けますから、優秀なのに経済上の理由からUCLAは縁遠いと思っていたような子供たちを集めることも可能になります。
実は、ゲフィン氏がこれまでUCLAにおいて最も力を注いできたのは「デヴィッド・ゲフィン医科大学院(David Geffen School of Medicine)」。UCLAに複数ある医学系大学院のひとつで、ライバルはハーバード大とジョンズ・ホプキンス大と公言し、奨学金財団においては成績最優秀者の教育費を全面的にサポートしている。また同氏はゲイであるせいか、特にエイズ研究に力を入れてほしいとプレッシャーをかけたとも伝えられている。
そして既存の「UCLA Lab School」もハリウッドという土地柄、非常にユニークなスクールである。
ゲフィン氏の資産は『フォーブス』誌によれば約70億ドルとあるが、子供はいない。人生をただの大富豪で終わらせず、自分の名を付けた何かすばらしいものを社会貢献として残せれば、これ以上誇らしいことはないというのが彼の人生のモットーとなっているようだ。
※ 画像はnewsroom.ucla.eduのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)