ロシア、エカテリンブルクのコルツォヴォ国際空港で今月19日、航空機の地上整備スタッフであるグランドクルーの男性が、重さ77トンの航空機になぎ倒されて轢かれる事故が発生した。男性は片脚を切断する重傷で、事故から4日後に意識が回復したという。
米ニュースメディア『New York Post』などが伝えた。

事故に遭ったのは21歳のレイルさん(Rail)で、ロシアの航空会社「ウラル航空」が運航するエアバスA320型機の前部着陸装置に轢かれて重傷を負った。

同機はキルギスの首都ビシュケクに向けて出発予定で、機長はレイルさんが航空機の前輪に背を向けるようにして立っていたにもかかわらず、タキシングを開始した。

ロシアのネットメディア『Уральский меридиан』によると、レイルさんは当時、クルーと通話するためのインターコムを調整中だったが、機長はレイルさんからのシグナルを待つことなく航空機を前進させたという。また一部報道では、「レイルさんは機長からの指示を待っていたものの、コマンドがないままにタキシングが始まった」とも伝えられている。

事故の様子はカメラが捉えており、レイルさんは重さ約77トンの航空機に背後から迫られてなぎ倒され、そのまま前輪に轢かれて動けなくなっていた。



この事故で機長はその日の勤務から外され、同機は別のパイロットが操縦し、約3時間半遅れでビシュケクに向けて出発した。

一方でレイルさんは、救急車で近くの病院に搬送され、片脚を股下から切断する手術を受けた。またもう片方の脚も骨折し危険な状態が続いていたが、23日に意識が回復し、その日の夜には生命維持装置が外された。事故当時のことは全て覚えているが、今もショック状態だという。

ロシアの事故調査委員会は同航空会社に対し、タキシング前の機長とレイルさんとのやりとりを再調査することを命じており、「機長に過失があり、安全規則に違反したことで重大な健康被害をもたらした」として、刑事事件で捜査を始めている。

ちなみに昨年11月にはブラジルで、線路を渡るバスに貨物列車が衝突し、37歳の女性が死亡した
女性はバスの窓から投げ出され、貨物列車に轢かれて体が真っ二つに切断されていたという。



画像は『New York Post 「Airport ground crew member clings to life and loses leg after taxiing plane runs him over: video」(aviatorshina / East2west News)、「New video shows final moments of disturbed passenger who died after climbing into Delta plane engine」(FOX 13 News)、「Landscaper fatally runs over homeless woman sleeping in California park with lawnmower」(ABC 10)』『G1 「Família e amigos se despedem de mulher que morreu em acidente entre ônibus e trem no DF」(Foto: Reprodução/Jornal Nacional)』より
(TechinsightJapan編集部 A.C.)