1月25日、ITF(国際テニス連盟)はインスタグラムで、ラファエル・ナダル(スペイン/世界ランク5位)とジュニア女子選手との笑顔の写真を投稿した。そこには「夢が叶う時」とキャプションが書かれている。
【SNS】ナダルとサフィの写真がこちら
イランからのジュニア選手がグランドスラム・ジュニアに出場するのは1978年のウインブルドン・ジュニアのY.サレー以来44年ぶりなのだという。
ITFの取材に対してサフィは、「これは大きなステップ、私のキャリアの中で最大のステップよ。自分の国でテニスを続けることは本当に大変なの。大会に出場するのも、ビザを取得するのもそうだし、スポンサーもいない。本当に大変なことなの」とイランでテニスを続けることの大変さを説明。
さらに、「だから、『夢をあきらめないで』と伝えたいの。私がテニスを始めた時、誰もが無理だと言ったし、母にもグランドスラムでのプレーなんて不可能よと言われてきた。でも、ただひたすら突き進んできたの。今回、グランドスラムジュニアで勝利できたことは、本当に大きなこと。
首都テヘランからほど近いカラジのJTI(国内協会が進める14歳以下ジュニア選手育成プログラム)に登録して練習を始めると、10歳で初の国内タイトルを獲得。2019年にはITFジュニアで初優勝し、現在までシングルスで9度、ダブルスで6度の優勝。今年1月に87位となり、イラン人ジュニアとして初のトップ100入りを果たしている。
自身にとって、テニスを始めるきっかけとなったナダルとの写真は宝物となったはず。そのナダルは「ザ・ナショナル」紙の取材に対して、「世界の様々な地域、特にツアーに参加したことのない地域からの選手を見るのは、とても特別なことだよ。イランから来て勝利をする。本当に素晴らしい話だし、彼女に会えてうれしい。私の存在が彼女にとって、ポジティブな決断を下す助けになったなら、大きな名誉だし、とてもうれしい」と彼女に影響を与えられたことを喜んでいる。
ヒジャブ(女性の頭と体を覆う布)をかぶってのプレーは、見ている側としては非常に新鮮だ。
■全豪オープン2022
日程/2022年1月17日(月)~30日(日)
開催地/オーストラリア・メルボルン:メルボルンパーク
賞金総額/7,500万豪ドル(約62.7億円)
男女シングルス優勝賞金/440万豪ドル(約3.7億円)
サーフェス/ハード
試合球/「ダンロップオーストラリアンオープン」
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