現地10月31日、「ロレックス・パリ・マスターズ」(フランス・パリ/ATPマスターズ1000)シングルス1回戦が行われ、今大会を現役最後の場としている元世界ランク6位のジル・シモン(フランス/世界ランク188位)が、アンディ・マレー(イギリス/同48位)を4-6、7-5、6-3で下し、2回戦進出を果たした。
【動画】今大会で引退のシモン、2時間50分の激闘の末にマレーを撃破! マッチハイライト
今年5月に今季限りで現役を引退することを発表した37歳のシモン。
今年の全仏オープンで現役を退いたジョー・ウィルフリード・ツォンガやガエル・モンフィス、リシャール・ガスケらとともにフランステニスの“新四銃士”の一人として活躍したシモン。前日の会見では、「僕は彼らから刺激を受けた。前向きになれるし、自分の体ができていれば、世界のトップ選手に勝てるという気持ちになるんだ。彼らと一緒にプレーすることで、自分自身と向き合うことが楽になる」と述べ、一人が素晴らしい成績を残せば、「自分もできる」と考え、相乗効果で強くなれたという。
長いキャリアを共にし、切磋琢磨してきた仲間が見守る中でスタートしたこの日の試合、相手は元世界ランク1位のマレー。過去2勝16敗と相性は悪く、2015年ATP500ロッテルダム大会を最後に勝利することができていない。
最初のサービスゲームを落としたシモンは、第9ゲームで追いつくものの、直後のサービスゲームをキープできず、4-6でセットを落とす。
しかし、ここからシモンの逆襲が始まる。ミスのないストロークを放つとともに、緩急をつけてマレーのミスを引き出すと、一気に4ゲームを連取。7-5でセットを奪い返し、最終セットは3度あったピンチをしのいで、マレーのサービスゲームを2度破って逆転で勝利を手にした。
「試合のスタートは大変だった。いろんなことが頭に浮かんできて、なかなか試合に集中できないんだ」と試合の入り方が悪かったと振り返ったシモン。試合が進むにつれてラリーが多くなり、「彼(マレー)が体力的にかなり消耗していた。僕のスペースが広くなり、正確なストロークだと彼が守るのが難しくなったんだろう」と最後は粘り勝ちだったと、2時間50分の激闘を制した要因を明かした。
「いつもは、彼と対戦すると結果は逆なんだ。だから、今回ばかりは勝者になれてうれしい」とマレーから3度目の勝ち星を挙げたことを喜んだシモン。2回戦では、第9シードのテイラー・フリッツ(アメリカ/同11位)と対戦する。