キーノートスピーチを担当したのは、月影デザインコンサルティングの山田晃三代表。多くの鉄道車両デザインを手がけたことで知られるGKデザイングループ(GKデザイン機構)の社長や相談役を務め、日本デザイン振興会(Gマーク)審査員フェロー、日本サインデザイン協会副会長などのキャリアも持つ、鉄道デザイン界のレジェンドと呼ぶにふさわしい方です。

山田代表は、「空想から科学へ。そしてふたたび空想のレイルを走る。」と題して講演。「より早く、より遠くに」という人間の空想を現実化する中で誕生し、進化を遂げてきた鉄道の歩みをおおむね次の通り語りました(以下の2章はスピーチを要約して、発言のまま紹介します)。

古代のコロが鉄道の原点!?

“鉄道は産業革命で発明された、蒸気機関を動力源とする工業製品の一つとして、偶然に生まれたわけではない(もちろんそうした一面もあるだろうが)。レールを敷いて車輪を走らせれば、遠くに行けることを人類は古代から経験的に知っており、そうした空想を現実化する形で鉄道は生まれたのだ。

さらに話を巻き戻せば、人類には本能的に早く遠くへ行きたいという欲求があった。早く遠くは自動車や飛行機も同じだが、鉄道が違うのはレールがある点。「線路は続くよどこまでも」ではないが、目の前のレールをたどれば遠くに行ける。そうした点も、鉄道が多くの共感を呼んだ理由の一つだ。”(大意)

再び〝空想の〟へ

“現代では、「敷かれたレールの上を走る」は必ずしも肯定的な表現ではないが、レールは確実に、その先を想像させる。鉄道を語る時、しばしばロマンやノスタルジーといった、抽象的な表現が使われる。それは空想から生まれた、鉄道の生い立ちを言い表しているように思える。


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