コロナ禍以前は多くのバルササポーターによってスタンドが埋め尽くされたカンプ・ノウ photo/Getty Images
10万人収容のカンプ・ノウの力は計り知れない
サッカー界でファン・サポーターは“12人目の選手”とも呼ばれ、ピッチでプレイする選手にとってこれ以上ないほど心強い味方だ。彼らの声援あるなしで、大きく結果が変わってくることもあるだろう。
16日に行われたチャンピオンズリーグ・ラウンド16の1stレグで、フランスの王者パリ・サンジェルマンをホームへ迎え入れたバルセロナ。PKで幸先よく先制に成功したものの、キリアン・ムバッペにハットトリックを達成されるなど4点を奪い返され、1-4の敗戦を喫した。
これにより、グループステージの最終戦でユヴェントスを相手にホームで敗れていたバルセロナは、本拠地カンプ・ノウでまさかの連敗。しかもユヴェントス戦に続いて3点もの差をつけられての完敗だ。データサイト『opta』によると、バルセロナが欧州コンペティションのホームゲームで、連敗という屈辱を味わったのは初。もちろん、2試合連続で3点以上奪われたのも初めてだ。
近年、バルセロナにとって“難攻不落の要塞”と化してきたカンプ・ノウだが、コロナ禍による無観客開催が行われて以降、少々状況が変わってきているのかもしれない。2010-11シーズンから昨季のリーグ戦中断までの約10年間で、バルセロナがカンプ・ノウで敗れたのは「12回」しかなく、勝率も8割を超えていた。しかし、リーグ戦が再開された昨年6月から現在までのこの短期間で、敗戦は「4回」。勝率も6割を下回っており、ホームゲームでこれまでのような強さを発揮できていないのだ。
世代交代の難航などによって、そもそもの戦力が低下してきたことで苦しい戦いが多くなってきているのも事実かもしれない。
約10万人というスタンドのサポーターの数を見ても、彼らの後押しがなくなった影響は、他のビッグクラブよりも大きいかもしれない。対戦相手にとっても、地鳴りのような歓声がなくなったことで、かなり戦いやすくなっているはずだ。今季のバルセロナが苦しめられている要因のひとつは、ルイス・スアレスの退団や体制の変化以上に、「無観客」が大きいのかもしれない。