強固な守備のチームを作り上げたフィッカデンティ監督 photo/Getty Images
攻守に安定感のある戦いで大分に快勝
4月11日に明治安田生命J1リーグ第9節で大分トリニータと名古屋グランパスの試合が行われ、アウェイチームが0-3で勝利を収めた。
開幕から8試合連続負けなしを継続中も、前節で1人少ない湘南相手に無得点に終わるなど2試合引き分けが続いていた名古屋。
そんな中で輝きを放ったのがマテウス。前半33分に左サイドからの巧みなドリブル突破からのクロスで山崎凌吾の先制点を演出すると、前半44分にもFKから大分のOGを誘発。ここ数試合は沈黙していたブラジル人アタッカーがこの試合では独力で違いをもたらし、名古屋のゴール奪取に貢献した。
2試合連続スコアレスドローでマッシモ・フィッカデンティの采配も注目された試合だったが、イタリア人指揮官は抜群の安定感を誇ってきた守備のバランスは変えず。昨季から今季にかけて維持する名古屋の強みを活かしながら自らの戦い方を貫いた。
そんななかでも後半途中にはベンチスタートの稲垣祥を投入し中盤を3ボランチ気味にしただだけでなく、後半42分にはさらに中谷進之介を投入し最終ラインを5枚に変更。リードを奪っている中でもJ1新記録となる8試合連続クリーンシートへ向けて執念が感じられる采配を見せた。
加えて後半終了間際には、途中出場の柿谷曜一朗に開幕9試合目にして待望の移籍後初ゴールが生まれた。チームの戦い方のベースである守備的な戦い方を維持したまま、攻撃のタレントに結果が出たことは2試合無得点が続いていただけに大きい。
大分相手に快勝した名古屋だが、今後はサンフレッチェ広島、サガン鳥栖といった今季好調を維持するチームとの対戦が続く。さらに4月29日と5月4日には圧倒的な強さで今年も首位を快走する川崎フロンターレとの2試合がある。
ここ数試合続いていた停滞気味の雰囲気を打破する勝利を収め、開幕からの負けなしを9試合に伸ばした名古屋。フィッカデンティ率いるチームが強固な守備とタレント力を武器に優勝争いに踏み留まっていけるのかは注目だ。