好調時のアザールは今でも大きな違いを生み出せる photo/Getty Images
ボールを失う機会が少ない
現世界最高のドリブラーは誰か。ネイマールやリオネル・メッシなど候補者は数名いるが、確実性ならばベルギー代表FWエデン・アザールが1番ではないだろうか。
アザールはレアル・マドリードへ移籍してからネガティブな話題ばかりだが、本来持っている才能は特別だ。コンディションさえ整っていれば、今でもアザールのドリブルはあらゆる守備網を切り崩せる。
特長的なのは、失敗が少ないことだ。例えばメッシは今季もリーガ・エスパニョーラにて1試合平均4.5回ものドリブルを成功させているが、失敗数も1試合平均2.5回ある。
ブラジルのドリブルキングであるネイマールも、今季リーグ・アンにて1試合平均失敗数が3.8回もある。成功数も4.8回と多いが、ボールロストも目立つ印象だ。
対してアザールはチェルシー時代からドリブルの失敗が少ない。チェルシーでプレイしていた2018-19シーズンには1試合平均3.8回のドリブルを成功させているが、失敗も1.8回と少ない。
2017-18シーズンも成功数4.9回に対し、1試合平均失敗数は僅か1回のみ。ボールを失いにくいのがアザールの特長だ(数字は『WhoScored.com』より)。
『The Athretic』にて、元コートジボワール代表MFヤヤ・トゥレはアザールのお尻の使い方に秘密があると語っている。
「ベルギーについて話すなら、アザールについて語らないとね。
「フランスのグリーズマンや、スアレスやアグエロもお尻を使うが、アザールほどは上手くない。お尻を使った後のボールコントロール、ボールを守る術、その後のどこへでもターンできるところなど、信じられないよ。アザールは両足、お尻を使って向きを変えられる」
アザールはドリブルの際もボールがほとんど足から離れない。その技術はメッシ、ネイマールをも上回ると言っていい。ボールを巧みに守り、危険な場面でもお尻を使ってファウルを獲得することもできる。
レアル移籍後は批判される機会も増えているが、その技術は今も衰えていないはず。現在はEURO2020に参戦しているが、決勝トーナメントでも唯一無二のドリブルを見せてほしいところ。コンディションさえ整っていれば、今でも特別な違いを生み出せるはずだ。