今季からはパリでプレイするメッシ photo/Getty Images
バルサの環境こそがメッシを活かす
パリ・サンジェルマンは新たに加えたFWリオネル・メッシをどう活かすのか。これは今季開幕からの課題だったわけだが、ここまでは100%の力を引き出せているとは言い難い。
リーグ戦では首位を維持しているが、チャンピオンズリーグではベスト16敗退。メッシ自身は全コンペティション合わせて7得点10アシストの数字を残しており、決して悪い数字ではない。ただ、バルセロナ時代の成績から考えれば物足りない。チームとしても、個人としても今季は納得のいくものではないだろう。
34歳という年齢も考慮する必要はある。天才メッシとはいえ、10年前に比べれば体のキレが失われている部分もあるだろう。30代半ばから新天地へ向かうのは難しいチャレンジだ。
しかし、それ以上に気になるのがクラブの哲学だ。やはりバルセロナの環境だからこそ、メッシの才能が100%活かされるのだろう。パリも豪華な選手層を抱えるが、チームにはシャビ・エルナンデスもアンドレス・イニエスタもいない。真にメッシの能力を理解できている選手は少なく、それこそバルセロナで一緒にやっていたネイマールくらいかもしれない。
チャンピオンズリーグ・ベスト16で敗れたこともあり、先日のボルドー戦ではパリのサポーターからネイマールやメッシにブーイングが飛ぶ一幕もあった。
メッシは他クラブでも無双できるのか。これは長年サッカーファンの間でも議論されてきたが、そろそろ答えが見えてきたか。別のクラブやリーグでもハイパフォーマンスは披露できるが、やはり100%の力はバルセロナの環境下でなければ発揮されない。メッシはバルセロナでこそ最大限の輝きを放てるプレイヤーなのだろう。
今ではメッシのバルセロナ復帰案なんてことも騒がれているようだが、おそらくバルセロナであれば今の年齢でもハイレベルのパフォーマンスを披露できるはずだ。